パリ ファッションウィーク:あいまいで美しい「マメ」の日本 来季もパリでの発表を継続

 パリでは2シーズン目となる「Mame Kurogouchi(マメ)」の2019年春夏コレクション。黒河内真衣子は、繊細な色彩と素材を用い、記憶のあわいを揺蕩うような幻想的でフェミニンなワードローブを提案した。

Image: Mame Kurogouchi

 自身の日記と上村松園の日本画にインスパイアされたという今回のコレクションでは、羽衣のように薄く透ける素材をレイヤードしたルックがキーになった。カラーパレットは淡い藤色を中心に黒やベージュといった陰りのある色を用い、グレーやホワイトにはメタリックというより繻子と呼びたいような控えめな照りがある。
 
 着物を思わせるラップコートや、帯状に結んだ幅広のサッシュベルト、袴風のワイドパンツやなど、シルエットにも和を意識した要素が取り入れられる一方で、デコルテを透かすレースや体に自然とフィットする流れるようなラインには、西洋的なセンシュアリティも垣間見えた。また、変わり編みのニットもアーティザナルな印象で、特に祭りの伝統衣装から着想を得たロングドレスはパッチワーク状に様々なパターンが合わさって目を引いた。プリントや刺繍で表現される控えめなフローラルパターンは、日記の押し花を落とし込んだものだ。
 
 洗練された素材を使ったセンシュアルでオリエンタルな洋服には、小物使いで抜け感と現代性をプラスした。今季も新型と新色を揃えたアイコニックなPVCバッグは、医療用レーザー技術を使って繊細で複雑な細工を実現したもの。足元にはヌーディーなサンダルを合わせてリラックスしたムードを演出した。

Image: Mame Kurogouchi

 文化服装学院で学んだ黒河内は、2006年に入社した三宅デザイン事務所で「イッセイ ミヤケ(Issey Miyake)」パリコレクションの企画・デザインなどを担当。その後2010年に自身のブランド「マメ」を立ち上げた。2014年に毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞し、昨年10月には新設のファッションプライズ「Fashion Prize of Tokyo」の第1回受賞デザイナーに選出された。同アワードでのサポートは今季で終了するが、来シーズンも引き続きパリで発表を続ける予定だ。
 
 パリで初のコレクションを披露した前回も良い手応えがあったという「マメ」だが、順調に国外の卸先も伸ばしており、中国やフランス、イタリアから、ロシア、アメリカにも取引先がある。
 
 「日本人である自分が特別意識しないような、意外なところに注目されたりするのも面白い」と海外での印象を語った黒河内麻衣子。「ジャポニズム2018」で賑わうパリで、決して仰々しくはない、あいまいな日常の上にある等身大の「和」を披露してみせた。


 

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