2019/09/26
パリFW:クリスチャン・ラクロワが「ドリス ヴァン ノッテン」にサプライズで登場
2019/09/26
今シーズンの「ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)」のショーでは、なんと最後にサプライズゲストとしてクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が登場した。2009年以来ランウェイに姿を現すことのなかったラクロワ。両者の協業によるクチュールのエッセンスを盛り込んだコレクションは、オペラ・バスティーユを舞台に披露された。

ショーのフィナーレまで伏せられていたコラボレーションだが、客席には「DVN x CLX」という意味深な文字が。80年代風に高さを出したキャットウォークには、シアトリカルでクチュールライクなルックもいくつか登場し、トレーンを引くフラメンコドレス、ドット使いなど、ドリス・ヴァン・ノッテンには珍しい要素もヒントになっていた。見ごたえのある特別なイベントだ。
オペラ・バスティーユのシンプルな内装にただ白いキャットウォークが伸び、端にはピアノが設置されていた。ピアニストが演奏を始めると、たちまち沈黙が広がる。

バックにはシューベルトのピアノ三重奏曲第2番が流れたが、これは今回のインスピレーション源であるスタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』へのオマージュだ。
最初のシルエットはブラックとホワイトのストイックなもので、そこから徐々にパッチワークやフローラル、アニマルモチーフなどカラフルな色使いが増えていく。豪華な素材も目を引いた。鮮やかなブロケード、大きな花が織り込まれたシルク、エンブロイダリーを施したサテンに、ギャザーやフリルをふんだんに盛り込んだバロックなコートやジタンドレスが登場し、ブラックのコートやシンプルなグレーのプルオーバーの肩にもゴールドの刺繍があった。

体に巻き付く黒いリボンに、ドレスやバッグ、ヘッドアクセサリーにあしらった繊細なフェザーなど、シンプルなニットやスカート、パンツもリュクスなアイテムと合わせられていた。
ドリス・ヴァン・ノッテンの「オランダプロテスタント的な厳格さとブルゴーニュ的な絢爛さ」、そしてクリスチャン・ラクロワの燃え上がるようなバロック趣味に南仏の太陽。両者の世界観が見事に合わさった素晴らしいコレクションに仕上がっていた。
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