2020/04/07
フランス:外出制限とEC、化粧品は堅調ながらアパレル・ラグジュアリーは苦戦
2020/04/07
外出制限中のフランスにおけるオンライン消費は、最初の一週間で大きく落ち込んだ。Contentsquare社の調査によると、ファッションとラグジュアリーの分野ではその後の回復も非常に遅く、一方で化粧品の売上はほぼ通常通りに戻りつつあるという。
フランスでは、3月16日に全土にわたる外出規制が発表された。同レポートは、3月29日時点までの集計値を1月6日〜2月16日の平均値と比較している。
化粧品のECサイトは、最初の一週間(3月16日〜22日)で訪問者数が平常時に比べ44.39%減少したが、コンバージョン率は71.67%上昇。2週間目(23日〜29日)もコンバージョン率は通常を40.08%上回っており、平均滞在時間は3.75%増、PV数は4.71%増となった。訪問者数は相変わらず34.15%減と普段より少なくなっているものの、合計コンバージョン数の減少も7.95%という数値に抑えられている。Contentsquareは、化粧品業界は3月30日以降「ほぼ平常通りの傾向に戻るだろう」と見込む。
一方、アパレル小売業の回復は鈍い。1週目に52.91%落ち込んでいた訪問者数は、2週目に43.81%減まで回復。2週目の平均滞在時間も平常時と比べ3%減、PCも2%減と初期からはやや持ち直している。しかしコンバージョン率は11.17%減から16.7%減へと悪化。コンバージョン数は54.47%減と、1週目の59.33%減よりは幾分か回復を見せた。
ラグジュアリーも回復は緩やかながら、「2週目のコンバージョン率は、通常時よりは低いままではあるものの、1週目に比べ17ポイント改善している」とも指摘されている。外出制限2週目のラグジュアリーECのコンバージョン率は、平時と比べ8.74%減と、1週目の24.1%から回復傾向にある。訪問者数も、1週目には55.91%と大きく落ち込んでいたが、2週目に入って44.09%減まで持ち直した。コンバージョン数は67.03%減から49.89%減まで回復。
しかし、ジュエリー・ウォッチ業界では厳しい状況が続く。合計コンバージョン数は70%減と低い水準で推移しているほか、コンバージョン率は1週目の11.67%減から33.19%減へと悪化した。訪問者数は13ポイント回復したものの
2週目でも54.25%減となっている。「現在人気なのはアクセサリー類で、ジュエリー・ウォッチのECサイトへの訪問者数は減少している」とContentsquare社は分析。
スーパー、ハイテク、薬局、メディア、金融など全業種のオンラインサービスを合わせると、外出制限2週目には訪問者数は通常時より19.51%増加しており、コンバージョン率は13.52%減少している。コンバージョン数は1週目に8.89%増となったものの、2週目には2.92%増とほぼ平常時並みに落ち着いた。
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