Reuters
2016/04/13
プラダ、更なる店舗閉鎖を発表 減益のなか16-17年の新規出店費用を相殺
Reuters
2016/04/13
プラダ(Prada)グループは、今年中に数店舗を閉鎖する予定だと発表した。ニーズが弱まっている状況で、新規開店に伴う費用を相殺し、利幅を守るのが目的だ。
4月8日に発表されたプラダの15年1月期連結決算は、利益が大きく予想を下回る結果となった。EBITは前年比28%減。
「市場の動向に変化は見られない」とカルロ・マッツィ(Carlo Mazzi)会長は話した。「世界経済や、消費者……特に新しい世代に関して言うと、市場の抱える問題というのは誰の目に見ても明らかだ」。
2011年に香港で上場して以来、小売拡大を急速に続けてきた。しかし、売上全体の5分の1以上を占める中国市場において、経済減速と反汚職運動に大きな打撃を受けている。
他のラグジュアリー企業では、LVMHグループが四半期決算を発表したばかりだが、香港などの主要な市場で観光客の消費が落ちこんだ影響を受け、予想を下回る結果となった。
アレッサンドラ・コッツァーニ(Alessandra Cozzani)CFOは、既存店舗をいくつか閉鎖することで、新規出店費用を調節すると述べている。
「2016年、小売販路の規模に変化は無い。17年に関しては未定だが、同様の可能性もある。現在、各店舗の生産性を高めているところだ」とアナリストに話した。
15年1月31日時点でプラダは世界に618店舗を展開しており、1年間で22店を新規開設した。
プラダの15年売上高は、恒常為替レートで5%減。既存店売上は公表していないが、JPMorganは第4四半期に9%減少したと見ている。
消費者の動向も、一方でより手頃な価格のブランドに、そしてもう一方ではより高額でニッチなブランドへと移行しており、それも一因と言えるだろう。
グループは、今後2年間でEC事業における売上を倍増させることを目標に、デジタル面を強化していくという。
EC大手ユークスネッタポルテ(Yoox Net-A-Porter)との業務提携など、マルチブランドオンラインショップでの販売も開始する予定だ。
デジタルとマーケティングの戦略により、顧客との関係をより密にすることを測る。
「来店する顧客の数が減っていることもあり、既存客をより丁寧に扱う必要がある」とマーケティングチーフ。
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