ミラノ ファッションウィーク総括:トレンドは細分化傾向

 ミラノ ファッションウィークが閉幕したが、トレンドが細分化し見えにくい傾向が今までになく顕著となった。しかし、ストリートとスポーツウェアは影を潜め、ドレス、テーラード、ジャケット、コート、カーディガンにミディ丈のスカートといった基本のワードローブ回帰が見られたことは事実だ。

Marco De Vicenzo AW 2019-20 - © PixelFormula

 先月のメンズと同じく、カッティングの妙や高級な素材使い、ディテールへの配慮など、技が活きるオーセンティックな装いが多い。50年代風のレトロなエレガンスや、膝まで伸びたレングスが象徴的だ。
 
 コンフォートかつエレガントなルックでは、特にフルイドなロングドレスやワイドパンツが目を引いた。コートは体を包み込むようなシルエットだ。中でも「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce  & Gabbana)」はこの流れを代表するメゾンで、「エレガンス」に捧げるコレクションを披露した。
 
 フェミニンなアイテムもあちこちで見られ、グローブやサイハイブーツ、ハイヒールブーツが多く登場したが、時にビニール素材や強い色使いなど大胆な表現も。カラフルなフローラル柄のチュニックドレスに、「マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)」などはバンビのクラッチをスタイリング。他にもおとぎ話のようなファンタジックな解釈をするデザイナーは複数いた。「Calcaterra」ではミニマルでコンフォートなラグジュアリースタイルを、レザーやラテックスといったセクシーでアグレッシブな素材で提案している。
 
 「プラダ(Prada)」のようにロマンスとミリタリーという相反するテーマを融合したkロエクションのほか、「GCDS」ではプリンセスが後半から魔女に変身。さらに「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」はレザーのトータルルックとクラシックなルックとをミックスした。
 
 ダークなムードは「グッチ(Gucci)」のマスカレードなランウェイや、「マルニ(Marni)」のゴシックなコレクションにも表れていたほか、「ヴェルサーチェ(Versace)」ではフェティッシュなレザーの肩紐やガーターベルトが登場。
 
 「プラダ」は昨今の政治的な不安を色濃く反映していたが、「マルコ・デ・ヴィンチェンツォ」は非常に洗練されたコレクションの中にもダークな思想が垣間見える。「普段はメッセージを発信しようとは考えないんだ。僕にとってファッションはまずグラマラスで楽しいものだから。今僕らを取り巻く緊張した環境が、今回のコレクションに影響を与えていることはあるかもしれないね。でも、ファッションはゲームみたいなもの。日常を抜け出す手段にもなり得るんだ」と語った。
 
 世界中で政治的な緊張が高まる中、そうした世相がファッションウィークに表れているとも言えるだろう。一方で、不況のあおりを受けた過渡期であるというやや即物的な解釈もできる。「ジェンダーレスの波やストリートの影響を受けて、今日のブランドは、次の段階がどうなるのかを模索している。色々な可能性を探求しているためか、普段とは全く違う世界観へ行き着く向きもある」と解説するのは、トゥモローロンドンホールディングス(Tomorrow  London Holdings)の創業者、Stefano MartinettoとGiancarlo Simiriだ。
 
 「こうした手探りの状態は、ウィメンズのアパレル市場が縮小傾向であることにも由来している。実際、売上の20%がメンズに浸食された。ウィメンズブランドは、あらゆる方向性で差別化しようともがいている」と両者は結論付けた。
 
 

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