ミラノ ファッションウィーク:「プラダ」のニューインダストリアル

 今季の「プラダ(Prada)」は、ショー会場だけでなくコンセプトとムードも一新したが、コレクションはいつも以上の出来栄えとなった。

Prada Fall 2018 - PixelFormula

 プラダ財団の保管庫である"Prada Warehouse "には、巨大なボール箱やメタル製のキャットウォークが設置された。
 
 「『プラダ』に流れるインダストリアルな側面を強調したかったの」とミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)。今回のコレクションはどれも硬質で、ほとんど機械のようなカッティングに見えた。「プラダ」のシグネチャーであるハイテクナイロン素材を、クレバーで新しいやり方で以て、意外性のあるアクセサリーに落とし込んでみせる。
 
 ショートスカートとビッグサイズの綿入れチュニックを合わせたスーツが目を引いたほか、マットなデニムやチェックのウールを用いたボリュームコートは、カフとヘムにかけて見事にレザーへと切り替えられていた。
 
 また、ローナン&エルワン・ブルレック(Ronan & Erwan Bouroullec )、コンスタンタティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)、レム・コールハース(Rem Koolhaas)の4組に対し、ブラックのナイロンでユニークな作品を制作するよう依頼したという「プラダ」。インビテーションは素晴らしいもので、スケッチや写真、ミニエッセイや上記4組のポートレートなどがエレガントな箱に同封されていた。
 
 コレクションとアート作品の双方が披露された"Warehouse "は、2年前に買い取ったもので、新しいオーナーとなったパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)CEOはこう話す。「ここにアートを補完しているんだ。この箱の中にね」。ボール箱には新しいロゴがあしらわれていたが、このロゴはバッグにも見られた。他にも、マーメイドや魚、リップスティックといったプリントのオーバーコートは素晴らしく、コレクションの中でも目を引いた。
 
 「ボックスの中に入っているかもしれないもの、という想像を膨らませて、それを服に血取り入れたの」とミウッチャ。ネームタグにはモデル一人ひとりの顔写真まであしらわれている。
 
 ブルレック兄弟はアートフォルダーを、グルチッチはアブストラクトなバッグを制作したが、これはヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)が愛用していたフィッシングベストへのオマージュにあたる。また、ヘルツォーク&ド・ムーロンは『Language Restraint(言語の抑制)』と題した奇妙なオブジェを考案。ナイロンを編んだボディハーネスのようなもので、「言語は肯定的な力を取り上げられた。人を惹きつける力を失ってしまった」と説明がなされている。
 
 クラシックなブラックナイロンへの回帰は、装飾重視のファッショントレンドからはやや外れているかもしれないが、今回の「プラダ」の変化は好ましいものだった。

 

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