ミラノ ファッションウィーク:「プラダ」の描くロマンと恐れ

 「プラダ(Prada)」がミラノで発表したドラマティックなショーは、ミリタリーウェアとロマンチックな要素が同居し、非常にコンテンポラリーなものとなった。

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Prada - Fall-Winter2019 - Womenswear - Milan - © PixelFormula
 
 イタリアはもちろん欧州全土でポピュリズムが勢力を拡大しつつある今、政治というテーマもファッションに深い影響を与えている。
 
 SWAT風のナイロンジャケットとジャーキンといったミリタリーアイテムをふんだんに取り入れた「プラダ」だが、それにギピュールレースのスカートをスタイリングしたルックは以上に印象深かった。カーキのトーンでは、サファリジャケットやコンバットパンツを提案。しかし、やはりターコイズのシルクシャツやファーのハンドバッグといったフェミニンなタッチを加えて全体を仕上げている。
 
 オープニングには、デコルテをカットしたブラックのフェルトウールドレスにシルクスカーフやクリスタルのチェーン、足元にはレースアップのコンバットブーツを合わせた「プラダ」らしいルックが登場した。一方で、コットンのシャツドレスには花のコサージュを巻き付けるなど、プロテクティブウェアにチャーミングな魅力を添えていた。
 
 バックに流れるのは、「Someday my Prince will Come(いつか王子様が)」とデヴィッド・リンチの映画「ワイルド・アット・ハート」のメタルナンバーとのミックスだ。

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Prada - Fall-Winter2019 - Womenswear - Milan - © PixelFormula
 
 「善と悪。ロマンスと恐れ。私が今最も強く感じているものよ。ひどいことが溢れている世界に、何か良いものをもたらしたいと思ったの。でも、ルック一つ一つがラブストーリーを語ってもいる」とミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)。
 
 「フォンダツィオーネ・プラダ(Fondazione Prada)」内で開催されたショーは、大きな拍手に包まれて幕を閉じた。
 
 「戦争を恐れているわ。どんな形態のものでもね。ヨーロッパでは今本当に暴力的な事態が進行している。これが昔ならとっくに戦争が始まっていてもおかしくない状態でしょう。我々デザイナーは富裕層のために高い服を作っている。それでも、ファッションはやはりどこか社会を映している。だから、政治的なテーマにアプローチしようというファッション業界からの要求もあるわ。そうすると難しいのが、それをどんな風に知的に扱うかということ。表面的に政治を扱っただけでは、ただ批判されるだけよ。ファッションは軽やかで、楽しみもなくてはいけないから」とプラダは語る。
 
 昨年末には、「Pradamalia」コレクションのキーチェーンが"ブラックフェイス"を連想させるとして黒人差別との批判を浴びた「プラダ」。その後すぐに該当商品の販売を中止し、謝罪声明を発表した。今年に入って、社内に「多様性とインクルージョン諮問委員会(Diversity and Inclusion Advisory Council)」を設置することも決定している。

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 同件について尋ねられたミウッチャ・プラダはこう答える。「もっと感度を上げて意識を高めていくためには、学んでいかなければならない。私たちができるのはそれだけよ」。
 
 今回のインビテーションはピンクとカナリアイエローで、キャスティングにも10名近い有色人種のモデルが起用されていた。どちらも以前の「プラダ」には見られなかったものだ。

 

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