ミラノ ファッションウィーク:新生「ジル・サンダー」の詩的なミニマリズム

 今季ミラノ ファッションウィークでデビューする新アーティスティックディレクター勢の1組、ルーシー&ルーク・メイヤー(Luke & Lucie Meier)夫妻が手掛けた「ジル・サンダー(Jil Sander)」初のコレクションでは、アシンメトリーなツイストを効かせた詩的なミニマリズムが垣間見えた。

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Jil Sander - Spring-Summer 2018 - Womenswear - Milan - © PixelFormula

 ショー会場も一新し、ブランドのショールームから、ザハ・ハディッド(Zaha Hadid)設計の建築に変更。白い直方体の形をした建物の上に、斜陽がまだら模様を描く。
 
 序盤はホワイトのコットンドレスが数ルック続き、ルーシュやプリーツといったディテールに気を配ったメイヤー夫妻のピュアなフォルムが目を引いた。ショーが進むにつれ、丈夫なナイロンや形状記憶素材など、高機能な生地を用いたアイテムが増えてくる。軽やかなルックには、レザーのショルダーハーネスやストラップ、ミニウェストコートといった要素でコントラストを演出していた。
 
 色使いはモノトーンが基調で、しかし終盤のルーズなカシミヤセーターにはボールドなカラーブロックが。ウィメンズに混じって、パシフィックブルーのコートやプレッピーなスーツ、エレガントなスモックなどメンズのルックも披露した。
 
 ニナ・シモンが歌う『Be My Husband』をバックに開幕したランウェイには、スピリチュアルなムードが漂っていた。
 
 「ジル・サンダー」の歩みは複雑だ。1999年にプラダ(Prada Group)に買収され、その後2008年にオンワード・ラグジュアリー(Onward Luxury)の傘下に収まった。一時退任と復帰を繰り返した創業者のジル・サンダーは、2005年に完全にブランドを離れている。後を継いだラフ・シモンズ(Raf Simons)のもとで盛り返したものの、近年はやや取り残されていた。イタリアンスポーツウェア色が濃い前任ロドルフォ・パリアルンガ(Rodolfo Paglialunga)の後を継ぐ形での就任となったメイヤー夫妻だが、彼らはジル・サンダーのヴィジョンを若々しい詩情で以て見事に再解釈してみせた。
 
 「ジル・サンダーというと、多くの人がミニマリズムという言葉を用いるし、それがすごく冷たいもののように感じると思う。でも、僕らがサンダーの中に見出したのは、もっとエモーショナルで、すごくフェミニン、そして軽やかなものだったんだ。こうした要素は全て、ブランドのパワフルなテーラリングの対極にある。僕らは、その二つを合わせたかったんだ」とルークは語る。
 
 一方のルーシーは、ラフ・シモンズ退任後の「ディオール」にて、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)着任まで、セルジュ・リュフィユー(Serge Ruffieux)と共にインハウスチームで腕を振るった。リュフィユーも、この後「カルヴェン(Carven)」のウィメンズアーティスティックディレクターに抜擢されており、来るパリ ファッションウィークで初のコレクションを披露する予定だ。
 
 

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