2012/09/12
メンズウェア・トレンド分析:スポーティ&カジュアルなレジャースタイルが主流
2012/09/12
9月6日に始まったニューヨーク・コレクションでは、レディースコレクションのトレンドに倣ってメンズコレクションでもカジュアルな雰囲気が強くなり、鮮やかな色使いやプリント柄を生かしたレジャーウェアやスポーツウェアが目立った。アナリストによると、レディースウェアの売上低迷が見られるなか、メンズウェアの売上が伸びている。男性の間で洋服や個性的なスタイルへの関心が高まっており、自分で買いものに出かけてショッピングを楽しむ男性が増えているという。

コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、メンズウェア売上は前年比14%増と、高級レディースウェアの約2倍の成長率になる見込みだ。小売トレンド専門家のTom Julian氏は、「オンラインショッピングに時間をかけたり、着こなしを研究する男性が増えており、その結果、個性的なスタイルを提案するブランドの人気が高まっている」という。
小売コンサルティングを行うDoneger Groupのメンズファッション・トレンドアナリスト、Tim Bess氏は、メンズウェアは「洗練されたモダンでカジュアルなスタイル」が好まれていると分析する。同氏によると、スポーティなレジャースタイルの人気が高まっており、ブレザーとショートパンツに、かっちりとしたシャツではなくTシャツやポロシャツなどを合わせるコーディネートが主流となっている。また、世界の主要都市ではメンズウェアを取り扱うブティックのオープンが相次いでいるほか、百貨店にインショップを設置するブランドも増えている。
一方、もうひとつのトレンドとして、水着やビーチウェアの要素を取り入れたスポーツウェアが目立つという。Tom Julian氏は、多くのデザイナーやブランドがサーフパンツをアレンジしたデザインを提案しており、西海岸のノスタルジックな雰囲気を感じさせる「レトロサーフ」スタイルが注目を集めていると指摘する。例えば米ブランド「Joseph Abboud(ジョゼフアブード)」は、ホワイト、アイボリー、グレーといった落ち着いた色合いだけでなく、ビーチやテニスクラブなどでもしっくりと着こなせる、レッド、イエロー、ブルーなど鮮やかな色合いのスーツやセパレーツを提案している。
ネクタイは姿を消し、柔らかなシルエットのジャケットやシワ加工を施したスーツなども登場した。ニューヨーク発のメンズウェアブランド「Duckie Brown(ダッキー ブラウン)」は、スクエアカットのジャケットに渦を巻いたようなドレープをあしらったパンツを合わせたり、プリーツのディテールが個性的なトップスと赤いチェックのパンツをコーディネート。「Nicholas K(ニコラス ケー)」は、ソフトなシルエットのオーバーサイズのセパレーツを発表。大きめのラペルや大きく開いたショールカラー、カラーブロックのトップスに、ショートパンツやロールアップしたパンツを合わせたスタイリングが印象的だった。
「Tommy Hilfiger(トミー ヒルフィガー)」は、レジャーウェアの要素を取り入れたスクールボーイ風スタイルが特徴。大胆なストライプがアクセントのブレザーにショートパンツやトラックスーツ風パンツを合わせ、ストライプをあちこちに配したコレクションを発表した。 レジャーファッションを得意とする「Lacoste(ラコステ)」は、大胆な色使いとソフトなシルエットのジャケット、ボリュームのあるパーカを提案。「General Idea(ジェネラル アイデア)」でも、肩の力の抜けたテーラードスタイル、カラーブロック、鮮やかな色使い、プリント柄、ショートパンツが目立った。
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