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ロンドン ファッションウィーク開幕:英EU脱退で"フロントロウ脱退"現象も?

掲載日
today 2019/02/14
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 合意なしのEU脱退という可能性が濃厚になってきたイギリスで、2月15日にロンドン ファッションウィークが開幕する。LFWならぬ"Last Fashion Week"の予感に皆が不安を感じるなか、英国が欧州から遠のくのと並行して、有力な業界人たちもロンドンのフロントロウから少しずつ、だが確実に遠のいていることは事実だ。

Soleil couchant sur la Fashion Week de Londres


  おそらくブレグジットに最も強く反対している業界の一つがファッションだろう。テキスタイルも輸入はもちろん、ロンドンで活躍するデザイナーの中にも大陸からのヨーロッパ組が大勢いる。
 
 ロンドンのファッションデザインシーンには、ことにEU諸国出身者が多い。メアr-・カトランズ(Mary Katrantzou)、ロクサンダ・イリンチック(Roksanda Ilincic)、シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)、ローラン・ムレ(Roland Mouret)、それに「バーバリー(Burberry)」のリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)など、イギリス国外出身のデザイナーを挙げればきりがない。

 また、外国から移住してきた両親を持つフセイン・チャラヤン(Hussein Chalayan)は今シーズンでデザイナーのキャリア25周年を祝う。
 
 昨今ではEUに限らず、全世界から才能あるデザイナーたちがロンドンに集まってきている。スペインのPaula Canovas del VasとErnesto Naranjo、韓国のGayeon Lee、トルコのボラ・アクス(Bora Aksu)、ブラジルのRenata Brenha、香港のライアン・ロー(Ryan Lo)、ポーランドのマルタ・ジャクボウスキー(Marta Jakubowski)、ブルガリアのキコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)、そして中国のシュー・ジー(Xu Zhi)といった多様な顔ぶれが揃う。ミラノやパリに比べて大手メゾンが少ない分、ロンドンの面白さは若手の才能にあると言っても良いだろう。
 
 セントラル・セントマーチンズとロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの2校はヨーロッパでも有数のファッション名門校だが、合意なしのEU脱退となればヨーロッパからの生徒数は激減することになるだろう。
 
 ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションに関しては、現在EU域内からの生徒はイギリス国籍の学生と同じだけの授業料を払うのみだが、今後はEU域外出身者と同じく約2倍の学費を納める必要が出てくる。
 
 「今年は明らかにヨーロッパからの生徒の数が減った。ブレグジットでさらに減少するだろうと見ている」と同校のファッションイノベーションエージェンシーのマシュー・ドリンクウォーター(Matthew Drinkwater)代表。
 
 ロンドンはクリエイティブな若手を輩出し続けてきたが、今後は経済的な事情でアントワープやフィレンツェ、ミラノ、パリといったヨーロッパの"大陸側"の学校を選ぶ生徒が増えるはずだ。
 
 ブレグジットの暗い陰が落ちるなか、それでもファッションウィークには多彩なイベントが予定されている。カナダ、香港、インドの合同ショーや、老舗セレクト「ブラウンズ(Browns)」の「Björn Borg by Robyn」ローンチ、高級EC「Matchesfashion」の実店舗で「パルマー・ハーディング(Palmer Harding)のブレックファストが開催されたり、『イブニングスタンダード』紙のレセプションに、「Fashion Scout」によるスロバキアの若手プロモーションのほか、デレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)によるベッカム夫妻を迎えたパーティー、ナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)の「Naked Heart」財団が行う「Fabulous Fashion Fund Fair」なども見逃せない。
 
 まだ明かりは消えていない。しかしEU脱退後には、バイヤーやエディター、スタイリストたちの"フロントロウ脱退"が目立つことになるだろう。

 

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