2016/05/11
ワコール、16年3月期は増収増益 新中期経営計画では営業利益率7%以上を目指す
2016/05/11
ワコールの16年3月期決算は、売上高が前期比5.8%増の2029億1700万円、営業利益が95.8%増の138億6500万円と、増収増益を記録した。国内における直営店の展開拡大や三愛の水着事業継承、前年は損失を計上したピーチ・ジョン事業が黒字転換したことなどが主な要因となっている。
国内ワコール事業は、売上高7.5%増の1205億7000万円、営業利益4.3%増の88億1000万円。主力アイテムであるブラジャーやシニア向けブランドが好調だったほか、都心部の百貨店および空港周辺エリアのアウトレットモールなど、インバウンド需要も引き続き旺盛となった。また、直営店「アンフィ(Amphi)」は、他社ECサイト上での売上が大幅に増加したという。
海外ワコール事業は、北米市場および豪州では好調に推移したものの、ユーロ圏では政治・経済的要因もあり苦戦。特にフランスでは、更生手続も開始した連結子会社のイヴィデン ユイットが販売する「Huit」ブランドの不振もあり、売上は前期を大きく下回った。
中国では上期が好調だった一方、景気の減速により下期がやや鈍化したものの、全体では増収増益となった。
海外ワコール事業全体の売上高は、7.8%増の518億6900万円、営業利益は7.2%減で44億3300万円。
前期に損失を計上していたピーチ・ジョン事業では、国内直営店の売上が大きく伸びたほか、中国では他社ECサイトにおける大幅な売り上げ拡大が見られた。セグメント全体の売上高は3.8%減の111億9000万円、営業利益は前期の損失から2億5800万円の黒字となった。
次期見通しとしては、国内における不安定な個人消費動向や、欧州や中国など世界経済に対する懸念などを鑑み、引き続き厳しい状況が続くとしている。売上高は前期並みの2030億円、営業利益は27.9%減の100億円を見込む。
17年3月期からの新3ヵ年中期経営計画には、事業再編やインフラ整備など国内の収益性向上を図るとともに、海外ではアメリカ、欧州、中国の3最大市場における経営基盤確立を目指し、連結営業利益率7%以上の達成を目標として掲げる。
不許複製・禁無断転載
© 2024 FashionNetwork.com