ワールド／オーダー新業態「アンビルト」渋谷に実験店

掲載日
2018/12/06

　ワールドグループのエクスプローラーズトーキョーは、服で悩みたくない男性に向け、オーダーからレンタル、保管までをワンストップで提供する「Unbuilt Takeo Kikuchi（以下：アンビルト）」を開始する。

　12月7日渋谷に路面店をオープンする。12月6日同店のマスコミ向け内覧会を開催した。

　「アンビルト」は、「毎日コーディネートを考えることが面倒」「どうコーディネートしたら良いか分からない」、時間・空間・コストを合理化したい次世代のビジネスマンに向けた新業態。

　スーツなどのカスタムオーダーからレンタル、ストレージサービスまでワンストップで提供。リアル店舗で採寸、注文するだけでなく、WEBで注文もできる（採寸後注文2回目以降）、デジタルとリアルの垣根を超えたビジネスを目指している。

　DtoC（Direct-to-Consumer）ブランドとして、オーダーを受けてからスーツなどを生産するため、在庫を持たないビジネスモデルとなっている。

　シーズンごとに、基本のセットアップ（ジャケット＋パンツ）から小物、靴まで揃えた24種類のコーディネートを設定し、「アンビルトコンテナ」と名付けた24の縦型クローゼットで提案する。

　理想のコーディネートやデザインを選び、店舗でプロのスタッフが採寸したサイズでオーダーすれば、最短10日で配送する。

　単品でジャケットやシャツをオーダーすることもできる。

　オーダーセットアップ税別3万9000円～7万9000円、オーダージャケット2万7000円～5万4000円、オーダーシャツ8000円～1万5000円など。

　ターゲットは10～70代をノンエイジで設定しているが、中心は30代ビジネスマンを想定している。

　内覧会で、ワールドの上山健二社長は「アンビルドは、働き方改革でオフィスファッションがカジュアル化したことで、何を着るか悩んでいる人に、合理的でスマートなファッションを、税別3万9000円からと既成服と変わらない値段で提案する。店舗での採寸を一度受ければ、次回からはWEBで気軽に注文できる」。

　「店舗では、スタッフによる採寸で、サイズの数値だけでない、適度なゆとりなどの好みを反映できる。WEBでは、迷わずに済む24型の提案に加え、ボタンの数、色など、着せ替え感覚で楽しめる、遊び心あるオーダー手法をとっている」と説明した。

　「アンビルド」屋号長の尾関修司氏は、「今までアパレルは服が好きな消費者を想定してモノづくりをしてきたが、アンビルドは服にそこまで時間や手間をかけたくない、利便性と合理性を追求したい人がターゲット。完全日本生産で、タケオキクチが培った安心の品質でありながら、合理的な金額で購入できる」。

　「コーディネートは、ビジネスウエアのカジュアル化にも対応。オン・オフの境界線が曖昧なビジネスシーンも想定し、シャツやネクタイを前提としないコーディネートも用意している。素材は、ストレッチなど機能性の高い生地のバリエーションを広げ、多忙なビジネスマンに向け、着心地のよさと着こなしを両立させた提案をする」としている。

　公式サイトのオーダーシステムは、今年3月にワールドグループに仲間入りしたITベンチャーのオム二スが開発した。

　店舗にある「アンビルトコンテナ」のQRコードを読み込み、公式サイトにアクセス、気になるコーディネートをスマホに保存したり、そのまま購入できる。

　ジャケットを例にとると、色、モデル、ラペル、ボタン数、裏仕様、裏生地色などのカスタムを決定し、WEBで注文できる。

　1度採寸すれば、店舗以外でいつでも注文できる自由度の高いサービスとなっている。

　採寸場所となるのは、渋谷に設けた実験店で、3面ガラスの視認性の高い店舗。気軽に入店してもらえるよう、打ちっぱなしの床、天井を張らない、カフェのような雰囲気にデザインしている。

　オーダー以外でも、遊び心ある文房具などの雑貨をそろえ、来店機会を増やす工夫をしている。スーツのオーダーには、男性が女性を同伴することも多いため、カジュアルな雰囲気作りをしている。

　また、物を持たないミニマムライフを好む男性に向け、「アンビルト」でオーダー商品を購入すると、サマリーのスマホ収納サービス「サマリーポケット」のストレージサービスも実施する。

　さらに、2019年春夏からネクタイのレンタルをスタートする予定。