三陽商会が3年連続赤字、デジタル領域の開発でブランド認知拡大と顧客満足度向上で4億円の黒字化目指す

 三陽商会が、2018年12月期連結決算(2018年1月1日〜12月31日)の報告会を開催した。同期間の売上高は590億9,000万円(前年同期比5.5%減)、営業損益は21億7,600万円の赤字(前年同期19億700万円の赤字)、経常損益は19億5,000万円の赤字(前年同期19億4,100万円の赤字)、親会社株主に帰属する当期純損益は8億1,900万円の赤字(前年同期10億2,500万円の赤字)となり、今月初めに下方修正した予想とほぼ同等の結果となった。来年度はデジタル領域の開発やプレミアムブランド化を進めることで、4億円の黒字化を目指す。

岩田功代表取締役社長 - Image: Fashionsnap.com

 第4四半期単体(2018年10月1日〜12月31日)では、11月中旬に百貨店で行った展開ブランド横断型のコートフェアの実施により店頭売上が一時的に前年同期と同水準に達したが、全体では暖冬の影響で重衣料の売上が低迷。昨年9月に募集した希望退職者への特別退職金の支給や再就職支援などを関連費用として約22億円を特別損失に計上したことも影響し、2016年度と2017年度に続き親会社株主に帰属する当期純損益は3年連続で赤字となった。
 
 2018年下半期は、上半期で販管費を削減したことで捻出された約9億円の費用を店舗やマーケティング、ECシステム構築に積極的に投資。Ruby Groupとの連携が強化されたことで、EC事業では上半期から12%の売上増加に繋がった。Abejaとの提携によるMD業務や店頭販促の改善に向けたデータ収集とシステム構築も順調だという。
 
 同社は全領域においてデジタルトランスフォーメーションを推進しており、来年度は自社ecのオペレーションをRuby Groupに移管するほか、新たに各ブランド単体のecサイトを立ち上げ、それぞれの顧客満足度を高める。また、「Sanyo Style Magazine」で各ブランドと親和性の高い雑誌やメディアと連動した企画を展開することで、ブランド認知および直営ecサイト「サンヨー・アイストア」での購買率上昇を狙う。このほか、同日発表したファッションポケットとの業務提携による画像aiエンジンを用いたファッショントレンド解析サービス「AI MD」を用いて在庫の効率化を図るという。
 
 展開ブランドの「プレミアムブランド化」においては、全ブランド横断型の販促イベントの開催を促進する。具体的な施策として、同社の代表ブランドが揃うショップ「三陽銀座タワー」を今年9月にリニューアルし、「グローバル・インバウンド」「プレミアム」「クラフトマン」をテーマにフロアを再構成するという。クラフトマンシップとデジタル事業を融合させた新事業を展開するほか、飲食店の運営も予定。また、若年層の顧客獲得に関しては、27〜34歳をターゲットにした新ブランドを立ち上げる。高品質なものづくりを活かした商品展開で、「マッキントッシュ フィロソフィー(Mackintosh Philosophy)」や「エポカ(Epoca)」といった同社の他ブランドへの流入を図るという。岩田功代表取締役社長は、「コスト削減に急ぎすぎた結果、店舗とecのオペレーションのクオリティーが低下してしまった。低迷の原因を明確に捉えているため、来年度はそれらを社員一丸となって改善していく」と意気込みを示した。
 
 このほか会見では、来年度から決算期を2月末に変更すると発表。アパレルおよび小売りのビジネスサイクルに対応し、アイテムの展開シーズンと決算時期を合わせ、より合理的な運営にシフトする。変更に伴い、2019年度は2019年1月から2020年2月末までの14ヶ月の決算として算出される。

 

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