事業用不動産見本市MAPIC:国際色豊かな「交流の場」に

 フランス・カンヌで11月13〜15日に開催された事業用不動産の国際見本市「MAPIC」は、停滞の続く欧州経済の影響を感じさせず、盛況に終わった。


多くの来場者で賑わう「MAPIC」会場


 MAPICディレクターのNathalie Depetro(ナタリー・デルペトロ)は、「MAPICは約70カ国から来場者が集まる国際色豊かな見本市となっている」と説明する。今回の来場者と出展者は合計で8300人に上り、特にフランス(約2500人)、イタリア(1000人)、ロシア(1000人)からの来場者が目立った。

 この他、中国、インド、ブラジル、中東など、世界のほぼすべての地域から関係者が訪れた。2008年の金融危機後、来場者数は減少傾向にあったが、現在はその影響も感じられなくなったという。Depetro氏は、MAPICは、世界の不動産業界における主要アクターが参加する見本市を目指しているとし、アジアなど他地域で開催するのではなく、フランス展の集客力を強化する意向を示している。

 他の見本市同様、MAPICは実際に契約を交わす場というよりも、交流の場としての意味合いを強めている。仏ブランド「Devred 1902」のPhilippe Barbry(フィリップ・バルブリー)社長は、「人脈を広げることが主な目的」と語る。また、伊ブランド「Liu Jo」の小売部門責任者を務めるEmmanuel Goffaux(エマニュエル・ゴフォー)氏も、「(人脈を広げることで)事業もスムーズに進められる」と話す。出展者と「交渉」ではなく「交流」することで、出店計画などについて腰を据えて説明できるほか、最新のトレンド情報を共有することもできるという。


講演を行うフィリップ・スタルク


 MAPICで開催されたコンファレンスやイベントも、こうした傾向を裏付けている。MAPICではこれまで、見本市の開催前日に招待客限定のイベント「Digital Summit」を 開催してきたが、今回は一般公開のコンファレンスが行われた。

 このコンファレンスでは、デザイナーPhilippe Starck(フィリップ・スタルク)が手掛ける商業施設の建築デザインが紹介されたほか、ポップアップストア、ショッピングセンターの展開などがテーマとなった。Depetro氏は、「商業施設は単なるショッピングセンターではなく、生活に密着した社会交流の場となっている。特に新興諸国ではそうした傾向が強い」と説明する。

 今回のMAPIC参加者からは、高級不動産のデベロッパーが少なかったとの声も聞かれた。Depetro氏はこれについて「(高級物件デベロッパーは)確かに減少している」が、「高級不動産はエクスクルーシブな要素を重視する独特の市場」であるため誘致が難しいと説明している。

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