2012/11/21
単一ブランド事業で躍進するユークス、2012年1-9月期連結売上高は30%増
2012/11/21
ECサイト「yoox.com(ユークス・ドットコム)」などを運営するイタリアのYoox(ユークス)グループは、2012年1-9月期の単一ブランド事業の売上高が前年同期比54%増の約8000万ユーロ(約85億円)となったことを発表した。
同グループはオンライン・セレクトショップ「yoox.com」以外に、ファッションブランドを対象とした公式オンラインストアの制作・運営サービスを提供しており、現時点で合計33ブランドのECサイトを手掛けている。「Armani(アルマーニ)」、「Trussardi(トラサルディ)」、「Barbara Bui(バルバラ・ビュイ)」、「Pringle of Scotland(プリングル オブ スコットランド)」、「Pomellato(ポメラート)」、「Alexander Wang(アレキサンダー ワン)」のほか、2012年8月にはPPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)と合弁事業会社を設立し、「Sergio Rossi(セルジオ・ロッシ)」のオンラインストアをオープン。今後もPPR傘下ブランドのECサイトを手掛けていく予定だ。また、中国では「DSquared2(ディースクエアード)」や「Moncler(モンクレール)」のECサイトもオープンした。

一方、マルチブランド事業では、「thecorner.com(ザ・コーナー・ドットコム)」が好調な売上を見せた。単一ブランド事業の勢いが目立つものの、マルチブランド事業は依然として全体の70%を占めており(前年度は75%)、1-9月期連結売上高は22%増の1億8600万ユーロ(約195億円)だった。ユークス・グループは、「yoox.com」も堅調だが「特にthecorner.comの売上が大幅に増加した」とし、半年前にオープンした靴専門ECサイト「shoescribe.com」も好調だとコメント。グループ全体の1-9月期連結売上高は、前年同期比30%増の2億6600万ユーロ(約279億円)となった。
地域別では、売上全体の15%以上を占める本国イタリアで1%減となったものの、第3四半期はプラスに転換。一方、他の地域では売上が軒並み増加した。イタリア以外の欧州の売上は26%増の1億2800万ユーロ(約134億円)。フランス、ドイツ、英国が牽引したが、特にロシアで大幅な売上増が見られたという。この他、北米は40%増の5600万ユーロ(約59億円)、日本は67%増の2300万ユーロ(約24億円)、そしてその他地域合計は168%増の1億ユーロ(約105億円)だった。
また、利払い・税・償却前利益(EBITDA=コア利益)は34%増の1600万ユーロ(約17億円)を記録。国際オペレーションや配送プラットフォームのオートメーション化が奏功し、利益率は5.8%から6%となった。
ユークス・グループの発表によると、ユニークユーザー数(複数回のアクセスをカウントしない純粋な訪問者数)は1カ月あたり1230万人で、1人あたり平均購入額は200ユーロ(約2万1000円)。昨年の平均購入額は174ユーロ(約1万8000円)だった。9月末には「Trussardi」のECサイトに「Trussardi jeans(トラサルディ ジーンズ)」と「Tru Trussardi(トゥルー トラサルディ)」が加わり、10月8日には中国で「yoox.com」がオープンすることから、今後も引き続き売上増が見込まれるとしている。
(1ユーロ=105円で換算)
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