商社発ニットブランド、NZ産メリノウールを使用した「アニュアル」が始動

　三井物産アイ・ファッションが、2019年秋冬の総合展示会でオリジナルブランド「アニュアル（Annual）」を発表した。繊維専門商社として国内ブランドのOEM業務を中心に請け負ってきた同社にとって、自社でアパレルブランドを手掛けるのは初の試みだ。

　アニュアルは、ニュージーランド産メリノウールを使用したニットブランド。高機能素材やダウンなどを長年扱ってきた同社のノウハウや経験を生かし、サステナブルなウールにこだわり、中でも動物愛護への意識も高いニュージーランド産を選んだ。メンズ、ウィメンズを展開し、カラーやネームカラーのカスタムは柔軟に対応し積極的に別注企画を行う。予定価格帯は1万円代後半〜3万円代前半。ヴィジュアルにもこだわり、サイト作成にあたっては担当者自らニュージーランドに出向き撮影を行ったという。

　同社は、これまでにテキスタイルブランド「クロスアプリ（Cloth App）」や靴下ブランド「エーエーアール スタジオ（AAR Studio）」などを、「ティート トウキョウ（Tiit Tokyo）」を運営するKIDS-COASTERと立ち上げており、アニュアルではデザインやブランディングをKIDS-COASTERと共に行う。同社商品開発室の担当者は「ここ数年は自社で企画、製造まで行う企業が増え、従来通りのOEM製造では差別化が厳しくなってきた。他社で代替の効かない、弊社独自のものとしてブランドを作りたいという思いがあった」と立ち上げの経緯についてコメントしている。
 
　2日間にわたる展示会では、卸先の反応は想像以上で大手セレクトショップとの商談も進んでいるという。担当者は「商社がブランドを作るというのは異例の取り組みだが、品質は確かなものに仕上がっています。従来の事業につぐ新たな事業として育てていきたい」と意気込みを見せた。