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日本とEUが経済連携協定に署名 世界のGDP3割を占める自由貿易圏誕生

掲載日
2018/07/19

 日本政府と欧州連合(EU)は7月17日、経済連携協定(EPA)に署名した。2019年3月初頭までの発効を目指すが、発効されれば人口で約6億人、世界の国民総生産(GDP)の約3割を占める最大級の自由貿易圏が誕生することとなる。
 
 繊維製品に関しては、日本からの輸出入ともに関税が即時撤廃されるほか、高額な輸入関税が課されていた皮革製品にも、将来的な撤廃へ向けた段階的な引き下げが行われる予定だ。

署名式(写真提供:内閣広報室) - Image: test


 安倍晋三首相とドナルド・トゥスク(Donald Tusk)欧州理事会議長、ジャン=クロード・ユンカー(Jean-Claude Juncker)欧州委員長は、第25回日EU定期首脳協議後に署名式と共同記者会見を開き、声明でも同様に「自由で、公正かつルールに則った貿易」を強調、「保護主義に対抗する」姿勢を示し、米国のトランプ大統領による関税政策とは対照的とも言える自由貿易への積極的な取り組みを見せた。
 
 2017年の日EU貿易は、対EU輸出が688億8000万ユーロ(約9兆300億円)、輸入が604億9300万ユーロ(約7兆9300億円)と、合計で1200億ユーロ(約15兆7400億円)を超える規模となっており、輸出入ともに前年から3%ほど拡大している。

 繊維・衣料品産業においては、フランスモード研究所の統計によると、日本からEUへのテキスタイルの輸出額が6億8600万ユーロ(約899億3800万円)で、EUへの繊維輸出国としては8位。日本への輸入に関しては、衣料品が13億6700万ユーロ(約1792億2000万円)で6位、繊維でも5億2500万ユーロ(約688億5400万円)で10位となっている。
 
 現在、繊維製の衣料品においては、EUから日本への輸入製品に4.4~13.4%、日本からEUへの製品に最高12%の関税がかけられているが、本協定発効後はこれらの関税が即時撤廃となる。また、日本への輸入が現行税率最高30%となっている皮革と靴製品に関する関税が21%に引き下げられ、11年目または16年目に撤廃される。
 
 昨年7月の大枠合意を受け速やかな協定の発効を求めていた日本繊維産業連盟の鎌原正直会長も署名への支持を表明し、「繊維業界としてはメリットを最大限に活かし、繊維業界の拡大などビジネスの拡がりに努めて行きたい」とのコメントを発表した。
 
 同連盟と共同声明を出していた欧州繊維産業連盟(Euratex)は、「繊維・衣料品の貿易に大きな可能性が開けた。日本繊維産業連盟の協力にも感謝したい」と述べている。
 
 また、同日には個人データ移転の枠組み構築に対する最終合意にも達した日欧。欧州では、今年5月に施行された一般データ保護法(GDPR)により、個人データを域外へ持ち出すことが原則禁止されている。EUと同水準のデータ保護がなされていると認定された国に関しては例外が認められるが、ここに日本が加わることになる。今年秋までに手続きが完了する見通しで、今回の合意により個人データが安全に流通する世界最大の地域が創出されるという。「EPAを補完する」意味合いもあり、双方の越境ビジネスに追い風が吹くことになりそうだ。
 

(2018年7月19日現在、1ユーロ=131円で換算)
 
 

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