東紀繊維、カニエ・ウェストとイージーを相手に未払いで訴訟

 日本のテキスタイル会社東紀繊維が、ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)および同氏の手掛けるイージー アパレル社(Yeezy Apparel Inc.)に対し、60万ドル(約6600万円)以上の未払いがあったとして、米ロサンゼルス郡上位裁判所に訴訟を起こした。

「Yeezy Supply」の公式インスタグラムより - Yeezy

 訴状によれば、カニエのイージー アパレルは昨年6月、「イージー」ブランドのフットウェア向けに東紀繊維のフリース生地を約5万3500ヤード(約5万メートル)、62万4051ドル(約6800万円)相当発注したが、同社は着手金を払わず、さらに生産開始後に発注取消しの旨を伝えてきたという。また、東紀繊維は他の企業に該当商品を売却しようとしたものの、「イージー」のシューズ向けに特注した素材であったため買い手がつかず、在庫を保管するだけでひと月あたり560ドル(約6万円)の出費があると訴える。
 
 東紀繊維は過去にもイージー社と取引があり、同社は2015年に協業先のアディダス(Adidas)と共に生地を発注している。当時は支払いも滞りなく行われ、先方は出来上がった商品に満足していた。その後イージーは単独で東紀繊維と交渉をするようになったが、数度にわたってサンプルを注文した際には問題なく期日通り料金を支払ったという。
 
 問題の取引では、「有名なセレブリティが経営する良く知られたブランドであり、数百万ドルの売上高を計上している」ことから、被告であるイージーの支払いを疑わなかったと原告側は説明している。また、カニエ・ウェストとイージー社の関係に関して、「資本金や資産、社員権がなく、カニエ・ウェスト以外に社員がいない隠れ蓑」であり、「カニエが個人責任を逃れるために利用している」と述べ、カニエ・ウェスト個人の対応についても追及する姿勢を示した。

 原告は、被告が発注後に商品受け取り及び支払いを拒否したこと、30%の頭金に同意したが支払わなかったことに加え、その後「解決策を探しているとしながら実際に問題を解決する姿勢を示さなかった」点に関しても、「誠意を持って行動せず、原告と公正な取引を行わなかった」と糾弾している。
 
 大阪市に本社を置く東紀繊維は、今では希少となった"吊り編み機"による柔らかな風合いのニットを得意とし、オリジナルの糸を用いて後加工にまでこだわった製品を提案している。

 カニエ・ウェストは、以前にもトルコの仲介業者に「イージー」生産に関する手数料未払いで訴えられているほか、途中で交渉を中止したジョージアのアウトドア会社から無断でプリントを使用したかどでも提訴されたことがある。
 
 
(2019年1月28日現在、1米ドル=109円で換算)
 

不許複製・禁無断転載
© 2019 FashionNetwork.com

ファッション - シューズテキスタイル産業ビジネス
新規登録