2019/05/29
破たんした「ルシアン ペラフィネ」、「ザディグ エ ヴォルテール」創業者が取得
2019/05/29
破たんして身売り先を探していたフランスの高級カシミヤブランド「ルシアン・ペラフィネ(Lucien Pellat-Finet)」を、同じくフランスのニットブランド「ザディグ エ ヴォルテール(Zadig & Voltaire)」創業者であるティエリー・ジリエ(Thierry Gillier)が取得した。取引額は不明。ブランドを運営しているRivoli Créationは、昨年10月3日に再建型破産手続きを申請していた。

ティエリー・ジリエは自身の持株会社ZVホールディング(ZV Holding)を通じて「ルシアン ペラフィネ」を買収。ブランド創始者のルシアン・ペラフィネは残留するという。「ブランドが継続していけることを嬉しく思います。ルシアンは取締役会入りする予定です」とジリエ氏。
ルシアン・ペラフィネ自身も、「ティエリー・ジリエのもとでブランドが新しい一歩を踏み出せる」ことに喜びの意を表明した。引き続きブランドのデザインにも関わっていく。
同氏が所有していたブランド運営権だけでなく、日本の販売ライセンスに関してもZVホールディングが取得する。日本は「ルシアン ペラフィネ」にとって重要な市場で、売上構成比は60~80%を占めるという。国内では10店舗ほどで販売されており、伊藤忠を代理店として単独店4店舗を展開していた。本国フランスとアメリカでも販売されているが、日本以外の国での知名度はここ数年低迷している。
ブランドは身売り先を見つけた一方で、商品開発から生産、販売までを手掛けていた運営会社のRivoli Créationについては言及されていない。今回の買収が同社を含むものであるかは不明だ。
Rivoli Créationの売上高は、2015年の347万ユーロ(約4億2300万円)から2017年には220万ユーロ(約2億6800万円)にまで落ち込んでいた。2018年に関してはさらなる減収が予想されている。また、2017年度の純損失は49万ユーロ(約6000万円)、営業損失は118万ユーロ(約1億4400万円)に上った。同社は昨年10月に再建型破産手続きを申請していたが、買い手がつかず清算手続に進んだ。
(2019年5月29日現在、1ユーロ=122円で換算)
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