資生堂、16年12月期は円高で打撃 高級ブランドが好調

 資生堂が発表した16年12月期決算は、売上高が8503億円、営業利益が368億円、純利益が232億円だった。決算期の変更に伴う実質ベースの増減率では、円高の影響を大きく受けて、売上高が前期比1.5%減、営業利益が17%減となっている。

Shiseido

 一方で、現地通貨ベースでは5.2%の増収となっており、各地域で伸びたプレステージ領域や新規取得したブランドがけん引したという。

 また、「ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」のフレグランスに関する知的財産権の譲渡益や鎌倉工場跡地の売却益を特別利益に計上したことにより、純利益は9%増の321億円となた。
 
 日本事業に関しては、売上高が2.9%増の4076億円、営業利益が4.4%の574億円だった。訪日外国人によるインバウンド需要の高まりを受け、最高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」が売り上げを伸ばしたほか、「Shiseido」ブランドもシェアを拡大。他にも、中価格帯スキンケア「エリクシール」、メーキャップブランド「マキアージュ」、日焼け止めブランド「アネッサ」などが引き続き前年を上回った。しかし、低価格帯商品は競争の激化もあり、前年を下回る結果となっている。
 
 中国事業においても、高価格帯のプレステージ領域ブランド「Shiseido」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「Ipsa」がけん引し、売上高は現地通貨ベースで11.4%増となった。円換算後では4.2%減の1205億円。販売チャネルとしてはデパートとECが好調で、特にECは中国のネット通販大手との協業により、市場の成長を大きく上回ったという。
 
 その他、アジアパシフィック地域でも、タイ、ベトナムを中心に、やはりプレステージブランドが大きく伸長したほか、韓国ではパーソナルケアブランド「Senka(専科)」が好調となり二桁の成長を達成した。
 
 16年7月に「ローラ・メルシエ(Laura Mercier)」を取得するなどした米州事業は、引き続き好調に推移した「Shiseido」、「Nars」、「クレ・ド・ポー ボーテ」といったプレステージブランドに加え、買収したブランドも影響し、現地通貨ベースで8%増、円換算後では3%減の1626億円となった。
 
 欧州事業では、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」のフレグランスライセンス契約を締結した一方で、「ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」との契約が終了、同ブランドの売上減が大きく影響し、18.2%減の852億円に。しかし、ライセンス終了や取得の影響を除いた実質売上高は、現地通貨ベースで9%増となっている。
 
 そして最も収益性が高いトラベルリテール事業は、中国、韓国、タイといったアジアの主要空港免税店を中心に拡大し、全体の売上高は現地通貨ベースで60.4%増、円換算後44.2%増の248億円となった。
 
 2015年度に中長期戦略「Vision 2020」を発表した資生堂グループ。スキンケアは日本、メーキャップおよびデジタルを米州、フレグランスを欧州と、各カテゴリーにおいて影響力を持つエリアにそれぞれ拠点となる「センター・オブ・エクセレンス」(以下、COE)を設置し、情報収集や戦略立案、商品開発などを主導して、グループ全体のマーケティングに適用する構想を取り入れている。16年10月には4つのCEO体制を完成させた。
 
 M&A強化も本格化し、16年度は「ローラ・メルシエ」や「リヴィーヴ(Révive)」を所有するガーウィッチプロダクツ(Gurwitch Products)を取得。さらに、17年には同社を吸収合併、米ベンチャー企業のマッチコー(Matchco)を買収した。
 
 17年度に関しては、連結売上高9400億円、営業利益455億円、純利益260億円を見込む。プレステージ、Made in Japanブランド、デジタル・ECといった成長可能性が高い領域に注力するともに、ベンチャー企業への投資も積極的に行っていくという。
 

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