香港の小売売上高、5ヶ月連続のマイナス

 7月の香港の小売売上高は5ヶ月連続のマイナスとなった。観光客の減少に加え、株安が消費者心理に影響し、時計・ジュエリーといった高価格な商品の買い控えが起きたことによる。
 
 7月の小売売上高は、価額ベースでは前年同月比で2.8%減となり、前月6月の0.4%減からさらに落ち込んだ。


 一方、数量ベースでは1.9%の伸びを見せているが、これも6月の4.3%増に比べると減少傾向となっている。

 小売業に打撃を与えているのは、中国本土からの観光客の減少に加え、高い賃料と人件費だ。さらに、経済不安で冷え込んだ消費者心理が、年末まで続くと予想されている。
 
 香港政府観光局によると、7月の観光客数は前年同月比で8.4%減少しており、特に中国本土からの人数は9.8%の落ち込んでいるという。
 
 「短期的に見ると、小売業界の先行きは不透明な状態が続くだろう。インバウンド消費や、不安定な株式による経済不安の如何に左右される」と政府はコメント。
 
 2015年上半期(1月-7月)は、小売売上高は価額ベースで1.8%減少したが、数量ベースでは1.7%増加している。
 
 また、セクター別に見ると、7月の腕時計・ジュエリーの売上は価額ベースで5%減(6月は10.4%減)。薬・化粧品は5.4%減、アパレルは13%減だった。
 
 たとえばプラダ(Prada)グループは、7月締めの上半期決算で、「香港やマカオなどの主要マーケットが停滞し続けている」ことに影響された、と説明している。
 
 
 また、高級時計の小売などを手掛けるエンペラーウォッチアンドジュエリー(英皇鐘表珠宝)も、15年上半期決算は2008年以来初となる赤字を記録した。香港ドル高と観光産業の減退が原因だという。
 
 競合相手であるバーバリー(Burberry)、ケリング(Kering)、LVMHなどと同じく、エンペラーウォッチも賃料の値下げを交渉し、販売網を整理していくという。
 
 UBSのアナリストであるSpencer Leung氏によると、「中心エリアの賃料はピーク時に比べて30%ほど下がったといわれているが、それでも、香港で閉店する店舗は、今後さらに増えると我々は考えている」とのこと。
 
 また、ジュエリー以外の小売業者が、中心地の地階フロアに店舗を構えてやっていくには、ピーク時より70%ほど賃料が下がる必要があるという。

 

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