2012/11/21
世界のファッションストリート賃料ランキング、シャンゼリゼ通りが3位に浮上、銀座が4位に
2012/11/21
Eコマースの台頭によって苦戦する地域が増える一方で、世界主要都市のメイン・ファッションストリートの人気は高まっている。不動産サービスプロバイダーのCushman & Wakefield(クッシュマン&ウェイクフィールド)が実施した調査「Main Streets Across the World 2012/2013」によると、世界主要都市の賃料ランキングで、香港のコーズウェイベイ(銅鑼湾)が1位、米ニューヨークの五番街が2位、仏パリのシャンゼリゼ通りが3位、そして4位に東京の銀座がランクインした。前年の調査では銀座は3位だった。

Cushman & Wakefieldの商業部門ディレクター、Pierre Raynal氏は、「(シャンゼリゼ通りは)2011年、Marks & Spencer(マークス&スペンサー)、Banana Republic(バナナ・リパブリック)、Abercrombie & Fitch(アバクロンビー&フィッチ)が相次いでオープンし、2012年もLevi’s Strauss(リーバイ・ストラウス)の旗艦店やMACのブティックが開店。また最近では、Tiffany(ティファニー)が2014年に新店舗をオープンすることを発表した」と説明。新たなブランドの参入に伴い、店舗の入れ替わりやリニューアルも相次いでいるという。
とはいえ、欧州全体では賃料の高騰率はそれほど高くなく、1.7%にとどまっている。ギリシャ・アテネのEmou通り(12.8%減)、ハンガリー・ブダペストのヴァーツィ通り(10%減)、アイルランド・ダブリンのグラフトンストリート(6.5%)など、一部地域では賃料の下落も見られる。一方、米国では賃料が急騰。ニューヨークの五番街は11%増だったが、タイムズ・スクエアの賃料は55.6%も高騰した。北米全体では10.4%増だったのに対し、全米平均では16.3%増となった。

しかし、さらに大幅な高騰が見られるのが、BRICS諸国だ。インド・ムンバイのコラバ・コーズウェイは75%増、ブラジル・リオデジャネイロのガルシア・ダビラ通りは64.7%増だった。香港の平均高騰率は21.8%となった。世界のブランドにとって、香港は中国市場への入り口としての意味合いが強いからだろう。
Cushman & Wakefieldは、世界主要ストリートの賃料高騰は来年は若干落ち着くだろうと予想し、世界経済の減速、新興諸国市場での一部高級ブランドの低迷などを理由として挙げている。とはいえ、国際展開を狙うブランドにとって、こうした主要ファッションストリートが今後も魅力的な地域であることに変わりはないだろう。
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