2014/02/05
ディーゼルが車いすに乗ったモデル起用:多様性を歓迎するヴィジュアルが話題
2014/02/05
車いすのファッションブロガーJillian Mercado(ジリアン・メルカード)が「Diesel(ディーゼル)」の2014年春夏ヴィジュアルキャンペーンに起用され、一躍脚光を浴びている。彼女のブログ「Manfactured1987」のアクセス数は急増しているという。
「We are connected」と題した新キャンペーンは、写真家デュオのInez van Lamsweerde(イネス・ヴァン・ラムズウィールド)とVinoodh Matadin(ヴィノード・マタディン)が撮影。この広告は3月に公開予定だが、既にインターネット上で話題となっている。

アーティスティック・ディレクターのNicola Formichetti(ニコラ・フォルミケッティ)は、広告キャンペーンのモデルにアーティストやタトゥーを入れた若者などを起用し、多様性を尊重するヴィジュアルを制作。最新ヴィジュアルでは、ニューヨーク在住のファッションブロガーJillian Mercadoが車いすに乗り、プラチナブロンドのヘアに真っ赤なルージュを引いた姿でポーズを取っている。
Jillianは12歳で筋ジストロフィーを発症。ファッションに情熱を注ぐ彼女はニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)で学び、現在はフリージャーナリストとしてオンラインマガジン「We The Urban」に記事を執筆している。ニューヨーク・ファッションウィークでは、フロントロウに座る姿もよく見かけられる。
Jillianは、「私の知る限り、ファッション業界では車いすで働く人を見かけたことがなかった。だから、私が初めてのケースになれればいいなと思って。今まで私のような人がいなかったのには驚いたけど、とりあえずやってみようと思ったの」と話す。

彼女はこう続ける。「今の社会では、こういうこと(障害者が前に出ること)はあまり望まれていないように感じる。だからハンディキャップを持つ人々の多くは、いつも批判を恐れている。今回のことをきっかけに、ファッション業界の広告キャンペーンがもっと大胆になってくれるといいなと思う」。
ニコラ・フォルミケッティは、Jillianのハンディキャップを取り上げることでタブーを破り、新たな価値観にスポットを当てたといえるだろう。
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