2017/10/12
東京ファッションウィーク、新規参加と海外組で存在感強める
2017/10/12
「Amazon Fashion Week Tokyo S/S 2018」が、10月16日~21日の期間開催される。アマゾンを冠スポンサーに迎えてから3シーズン目となる今回は、新規参加21組、海外からの参加9組を含む55ブランドがコレクションを披露する。また、アマゾン ファッションによる“At Tokyo“プロジェクトの一環として、「サカイ(Sacai)」、「アンダーカバー(Undercover)をはじめ、パリやロンドンで活躍するブランドが特別なランウェイショーを行うことでも注目が集まっている。

スローガンの一つ、「世界に向けた新人デザイナーの登竜門に」が示すように、若手の海外展開に向けた前段階という側面も強かった東京ファッションウィーク。「コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)」、「イッセイ ミヤケ(Issey Miyake)」、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」といった有名メゾンは常にパリでコレクションを発表し、成功した若手もその後は4大都市へと発表の場を移すことが多い。
今シーズンも2人のデザイナーがミラノでショーを行い、東京を欠席する。LVMHプライズでセミファイナリストにも選ばれた藤田哲平手掛ける「サルバム(Sulvam)」は、イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda)のサポートにより、6月にメンズコレクションを同地で披露した。そして西崎暢の「ウジョー(Ujoh)」も、9月のウィメンズファッションウィーク中に公式スケジュールでのランウェイデビューを果たしている。
一方で、海外から東京を目指す動きも生まれている。カナダを中心に、アジアからも若手の才能を集めた「グローバル ファッション コレクティブ プレゼンティッド バイ ヴィーエフダブリュー(Global Fashion Collective presented by VFW)」と、香港貿易発展局が立ち上げた海外プロモーションプラットフォーム「ファッション・ホンコン(Fashion Hong Kong)」はグループでの参加となり、それぞれ20日と17日にショーを行う予定だ。
香港から参加するのは、「ハリソン・ウォン(Harrison Wong)」、「メイキン・ンー(Meiking Ng)」、「ポリー・ホー(Polly Ho)」、「ルームループ(Loom Loop)、「ヘブン・プリーズ(Heaven Please+)」の4ブランド。国際的な展開を考えているというデザイナーのハリソン・ウォンは、「日本のファッションはとても成熟しており、高度に多様化したマーケットでもあるので、このファッションウィークで自分のブランドに対する反応を見たいと思っています」と話した。

また、今シーズン特に注目を浴びているのが、アマゾンの“At Tokyo”プログラムによる5ブランドのショーだろう。宮下貴裕手がける「タカヒロミヤシタザソロイスト(Takahiromiyashitathesoloist.)」や、パリ、ロンドンとヨーロッパのファッションウィークでショーを行っている「トーガ(Toga)」、"謎のステッカー集団"として知られるストリートブランド「ブラックアイパッチ(BlackEyePatch)」が参加するほか、「サカイ(Sacai)」と「アンダーカバー(Undercover)」は合同でショーを行う予定だ。20周年を迎える「トーガ」のデザイナー古田泰子は、東京で12年ぶりに行うショーの会場に都内のとある美術館を選び、「東京だからこそ作れる世界」を披露するという。
「サカイ」と「アンダーカバー」が20日に行う合同ランウェイは、「10.20 Sacai / Undercover」と名付けられた。1991年に行われた「ヨウジ ヤマモト」と「コムデギャルソン」の合同メンズコレクション「6.1 The Men」に衝撃を受けたと話す阿部千登勢は、「生活している東京で何か新しいことをしたいとずっと考えていた中で、ジョニオくん(高橋盾)にAmazon Fashion “At Tokyo”への参加について声をかけてもらい実現しました。私が昔感じたような衝撃を多くの人に体験してもらうにはUndercoverが最高の相手だと思っています。まだ見たことのない景色を皆さんと見られることを楽しみにしています」とコメント。「アンダーカバー」の高橋盾も、「やるからには歴史に残る1日に」と意気込みを語っている。
今回の“At Tokyo”では、日本のファッション業界全体を支援していくという観点から、次代を担うファッションやデザインの専門学校生も数百人招待する予定だ。さらに、B to Cのアプローチも引き続き行い、16日にAmazon内にオープンする“At Tokyo”ストアにて、参加ブランドのスペシャルアイテムを販売していく。

新規参加ブランドとしては、「ヨウジヤマモト」や「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」で経験を積んだ中井英一朗が手がける「エルザ・ウィンクラー(Elza Winkler)」のほか、デンマークの「ヘンリック・ヴィブスコフ(Henrik Vibskov)」、アダストリアの「グローバルワーク」などが名を連ねる。
さらに、先日「ザ・ノースフェイス(The North Face)」とのコラボレーションを発表したばかりの「ハイク(Hyke)」は19 日に2シーズン目となるインスタレーションを行い、同じく前回に続いての参加となるマドモアゼル・ユリアの「グローイング・ペインズ(Growing Pains)」は、16日にショーを披露する。数シーズンぶりに東京の公式スケジュールに復帰する「ジーヴィージーヴィー(G.V.G.V.)」や「ミキオサカベ」にも注目だ。
その他、一般消費者の取り込みを図るべく、様々にパートナーシップの輪を広げているアマゾンファッションウィークは、公式メディアスポンサーである「エル(Elle)」誌とのパーティーや、テキーラ「パトロン」の特別コラボレーションボトルローンチも控えている。
不許複製・禁無断転載
© 2023 FashionNetwork.com