AFP
2016/04/27
パリ商品取引所が美術館に ケリング創業者フランソワ・ピノーの所有するアートコレクションを展示
AFP
2016/04/27
パリの商品取引所(Bourse de commerce)が譲渡され、ケリング(Kering)グループの前身であるPPR(Pinault-Printemps-Redoute : PPR)を創業したビジネスマン、フランソワ・ピノー(François Pinault)氏の美術品コレクションが展示されることになった。アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長が発表した。

「フランソワ・ピノー氏の所有するコレクションを、商品取引所という特別な場に迎えられて喜ばしく思う」とアンヌ・イダルゴ市長。「素晴らしい日になった」と称える。
パリの商品取引所の歴史は古く、ドーム状の建物は18世紀に麦の倉庫として建設され、19世紀に入ってからは商品取引所として機能していた。1998年にパリ商工会議所の管理下となり、主に中小企業関係の業務が行われている。
それがこの度、ピノー家の関係企業に50年間譲渡されることとなった。仏ルモンド(Le Monde)紙によると、改装工事に掛かる費用1億ユーロ(約126億円)相当も、この会社が負担するという。

「パリの中心に素晴らしい名所ができる。都市としての魅力も向上するだろう」とアンヌ・イダルゴはAFPに話す。
パリ商品取引所はルーブル美術館とポンピドゥーセンターの間に位置する。近所のレ・アル地区も最近大規模な改装工事を終えたばかりで、今回の決定が同エリアに更なる活気をもたらすことになるだろう。
すぐ隣に位置するパリ中央郵便局もリノベーションの最中であるほか、やはり近隣の旧サマリテーヌデパートに関しても、LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)の下で改装プロジェクトが持ち上がっている。
フランソワ・ピノー氏本人は、「地域にある既存の商業を尊重しつつ、独自のやり方でパリを活気づけていければ」と強調している。

ケリング会長兼CEOであるフランソワ=アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)の父であるフランソワ・ピノーは、世界でも有数のモダン・コンテンポラリーアート収集家として知られている。2005年には、パリ郊外セガン島のルノー工場跡地に美術館を建設することも計画していた。
しかし、事務手続きの煩雑さからこの計画は中止、ヴェネツィアのグラッシ宮を買収した。その後も、2009年にはプンタ・デラ・ドガーナ(旧税関倉庫)、2013年にはテアトリーノと、同地に次々と美術館を開いている。
「フランソワ・ピノー氏のコレクションが、国外に流れてしまっている気はしていた」とアンヌ・イダルゴ市長。「パリに戻って来てくれれば、というのを常々考えていた」。
Jean-Paul Leroy (with AFP)
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