2019/03/21
東京ファッションウィーク Day4:「コシェ」x『名探偵ピカチュウ』
2019/03/21
東京ファッションウィーク4日目には、西崎暢が手掛ける「ウジョー(Ujoh)」が2年ぶりに日本でショーを開催し、イタリアのテキスタイルメーカーとのコラボコレクションを披露したほか、フランスの「コシェ(Koché)」と映画『名探偵ピカチュウ』の異色コラボによるプレイフルなランウェイも行われた。
「コシェ」、ストリートクチュールで紡ぐ"クールジャパン"

「ポケモン」と藤原ヒロシとのコラボレーションは記憶に新しいが、今回はハリウッド制作の映画『名探偵ピカチュウ』とフランスのクリエイターブランド「コシェ(Koché)」がタッグを組んだ異色のプロジェクトが東京で発表された。
ホームタウンであるパリでは、広大なベルシー体育館で「ナイキ(Nike)」との協業アイテムを含む2019-20年秋冬コレクションを披露した「コシェ」。パリでのショーの延長のような感じ、と話してくれた通り、スポーツウェアやストリートをクチュールのディテールで昇華した楽観的なムードのランウェイになった。
会場となった「Shibuya Tsutaya」の屋上には、パリで発表されたアイテム以外にも、サッカーユニフォームをパッチワークで再構成したウェアを中心に新しいルックが数多く登場。メンズのルックも見られ、様々な国のユニフォームをほとんどパズルのように細かくつなぎ合わせた「コシェ」らしいスーツやドレスが揃ったが、チェルシーFCのパートナーである横浜ゴムの名前が胸元に大きくフィーチャーされたシャツや「Rakuten」の文字が躍るバルセロナFCのビジューTシャツなど、日本へのオマージュもさり気なく見て取れる。スタイリングは、エレガントなシルエットも多かったパリより若々しくスポーティー、ストリートな雰囲気だ。

後半にさしかかり、『名探偵ピカチュウ』のロゴが入ったキャップを被ったモデルが登場した後は、オールイエローのルックに続いて映画のロゴ入りユニフォームTシャツなどコラボレーションらしいアイテムがお目見え。しかし中でも目を引いたのは、黄色いパネルの切り替えでピカチュウのシルエットを表現したレースのドレスとフーディパーカだった。ドレスにはピカチュウのシルエットに沿ってクリスタルも散りばめられており、「コシェ」ならではのクチュールライクな要素がキッチュなアイコンと上手く混ざり、ユーモラスながらクールなルックに仕上がっている。キャスティングも多様だったが、先週末にはブランドのSNSにて一般人のモデルを募る告知もなされ、様々に異なった人々がパッチワークのように不思議な調和を見せていた。
フィナーレには「スキヤキ」ソングとして知られる坂本九の「上を向いて歩こう」が流れた。ともすれば滑稽にもなりそうな外国人にとっての"クールジャパン"原風景を素直に気負いなく表現したショーには、クリステル・コシェール(Christelle Kocher)の人柄が表れているようにも思われる。
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