2019/03/19
東京ファッションウィークDay 2、「アンリアレイジ」のトリミングウェア、 "カワイイ"新世代「シュシュ/トング」
2019/03/19
東京ファッションウィークが2日目を迎え、先月のパリから間もない「アンリアレイジ(Anrealage)」のショーのほか、中国発の「シュシュ/トング(Shushu/Tong)」が東京でデビューランウェイを披露。「ノーマティーディー(Noma T.D.)」もオープニングイベントと合わせてコレクションを発表した。
「アンリアレイジ」、 "ズーム"の次は"トリミング"でメンズウェアを提案

パリでは細部をアップにしたイメージをそのまま1枚の服に仕立てた「アンリアレイジ」。東京ではそれに加えて、メンズのルックとして上部だけを"トリミング"したアイテムを新たに発表。拡大率はウィメンズより低いため、一見するとクロップドのオーバーサイズアイテムのように思えるが、元のシルエットが保たれている分、袖やヘムが直線で切り取られているラインがわかりやすい。特に、ダウンジャケットはそこに体を入れると背中側が立体的に膨らみ、面白いシルエットを作り出していた。
長年「光と影」を追求してきたが、先月のパリからは「服そのもの」にテーマを移した森永邦彦。東京のランウェイの見せ方も、前回の「At Tokyo」とは打って変わってスペクタクル的な要素をそぎ落とし、「服を見せる」というシンプルな構成を採用している。一般客も100名が招待された。
「シュシュ/トング」、"カワイイ"進化形のモードなワードローブ

東京でのランウェイデビューを果たした「シュシュ/トング(Shushu/Tong)」は、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業した中国人デザイナーデュオ、雷留樹(Liushu Lei)と蒋雨彤(Yutong Jiang)が2015年に立ち上げたブランド。上海を拠点に、今までは同地のファッションウィークでコレクションを発表してきた。
ラッフル、ギャザー、チュール、リボン、髪にも服にもソックスにも散りばめられたクリスタル。甘く繊細でガーリーな世界観をベースにしながらも、張りのある素材を使ったスカートや、カーブを描くジャケットやドレスの袖など、シルエットやボリューム感は構築的なラインを描く。

カッティングとボリュームで作るモード感やどこかシノワズリでロマンチックな少女趣味の匙加減は「シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)」を彷彿とさせるものもあったが、実際二人は同ブランドで経験を積んだこともあるという。しかし、戸川純やホラー映画からのインスピレーションを引用する通り、「シュシュ/トング」にはダークで反骨的な要素も目立った。ブラックのエナメル素材で仕立てたヨークワンピースやチェックのワンショルダージャンパースカートのヘムは切りっぱなしでほつれており、フラワーやチェックのモチーフもよくよく見れば荒々しいグラフィティのようなタッチだ。三つ編みやハイソックス、タイツに象徴されるグッドガールスタイルとキッチュな狂暴さを上手くミックスし、日本風のサブカルチャーをクールなモードに昇華してみせた。
「シュシュ/トン」は、現在グレーターチャイナはもちろん、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、ロサンザルスの「ドーバーストリートマーケット」や、ロンドンの「ブラウンズ(Browns)」、EC「Ssense」、そして日本では「K3」など国外でも販売されている。
不許複製・禁無断転載
© 2023 FashionNetwork.com