2017/10/13
イエール受賞の松重健太、パリ「Isetan The Japan Store」に期間限定で展開
2017/10/13
2014年にイエール国際フェスティバルでグランプリを受賞、フランスを拠点に活動する日本人デザイナーの松重健太のブランド「Kenta Matsushige」が、伊勢丹パリ店「Isetan The Japan Sotre」で10月21日まで展開される。17-18年秋冬コレクションと一部18年春夏コレクションを販売する。

エスモード大阪校を2年経て渡仏した松重は、サンディカ・パリクチュール校のマスターコースを2012年に卒業した。その後は「ディオール(Dior)」や「ジバンシィ(Givenchy)」といったメゾンで経験を積み、「ジャンフランコ・スコッティ(Gianfranco Scotti)」でフリーランスとして働いた。「パタンナーの仕事は少しクチュリエに近いものがある」と話し、「そのためにパリに来た」という。「非常に洗練された特別な技術」と称するフランスのテクニックを、「日本のクラフツマンシップと組み合わせたい」と説明した。
背中が開いたコートドレスや、見事なカットのミニマルなドレス、カシュクールシャツまで、洗練されたディテールが彼のクリエーションの特徴だ。キモノ風のTシャツは脇のところで開いたデザインで、さらにポケットには異素材を用いたりと、細かなところにも手を抜かない。
イエールでグランプリを受賞してから「プチバトー(Petit Bateau)」と協業したり、昨年はフランスの若手コンテスト「アンダム(Andam)」でファイナリストにも選ばれた。「今は中国の『Mix Mind』をはじめ、色々なブランドとコラボレーションしています。若いブランドにとっては難しい環境。メゾンを拡大するためにも、パートナーを探したい」と話す。

確かに、若手デザイナーを取り巻く今日の環境は厳しい。パリ ファッションウィーク中にフランスクチュール連盟(Fédération de la Haute Couture et de la Mode)が主催する若手向けショールーム「デザイナーズ・アパートメント(Designers Apartment)」にも、今季含めて既に4シーズン出展。「Kenta Matsushige」は現在、世界12店舗ほどのマルチブランド店と取引があり、日本国内では伊勢丹新宿店の「ReStyleリ・スタイル」コーナーで販売されている。
今回の「Isetan The Japan Store」は、ブランドにとってもほぼ初めての纏まった小売展開となる。セーヌ川沿い、エッフェル塔のすぐ近くという店舗の立地も手伝って、ウィンドウを見た観光客が立ち寄って購入していくケースも少なくないという。一枚で目を引くドレスなどが好調だ。
松重は「それぞれの商品はもちろんだが、それ以上にまずはブランド全体のイメージや世界観を提案したい」とし、生産体制も向上させていきたいと語った。日本の伊勢丹でも、今後展開数を拡大する予定だ。
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