2019/11/14
デザイナーのジョセフ・ティミスターが死去
2019/11/14
オランダ人デザイナーのジョセフ・メルキオール・ティミスター(Josephus Melchior Thimister)が11月11日、57歳で死去した。ミニマルなスタイルと見事なカッティングで知られた人物だ。

1962年9月16日にマーストリヒトで生まれたティミスターは、ロシア、ベルギー、フランスという多様なバックグラウンドを持って育ち、5ヵ国語を巧みに操った。マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)などと同じく、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーで学んでいる。
87年に卒業するとパリに移り、「カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)」でキャリアをスタートした。その後「ジャン・パトゥ(Jean Patou)」を経て、「バレンシアガ(Balenciaga)」のアーティスティックディレクターに抜擢される。メゾンに新しい風を吹き込み、レディ・トゥ・ウェア(既製服)のラインを若返らせた。
そして97年、同職を二コラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)に譲って退任し、自身のブランドを設立した。以降2004年までオートクチュールとレディ・トゥ・ウェアのショーを行っていたものの、資金不足を理由にブランドを休止している。2010年には、パリ オートクチュールシーズンでランウェイにカムバックを果たして大きな喝采を浴びたが、メゾンを再始動するには至らなかった。

しかし、その後もアーティストやインテリアデザイナー、イラストレーターといった別の分野で才能を発揮したほか、様々なメゾンにコンサルタントという形で関わっている。
「パトリック・コックス(Patrick Cox)」や「シャルル・ジュルダン(Charles Jourdan)」のアーティスティックディレクターをはじめ、最近だと2017年に「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」にも携わった。さらに同年にはフランスの「イエール国際モード&写真フェスティバル」でカンファレンスを開いている。
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