2019/04/08
フランスの名靴職人、レイモン・マサロが90歳で死去
2019/04/08
フランスの靴職人レイモン・マサロ(Raymond Massaro)が4月8日、90歳で亡くなった。数々のクチュールメゾンはもちろん、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とも数十年にわたり仕事をしてきた名工だった。

1894年、セバスチャン・マサロがオペラ座地区のラペ通り2番地にアトリエを開いたのが「メゾン・マサロ(Maison Massaro)」の始まりだ。その孫レイモン・マサロは1929年に生まれ、やはり靴職人の道を歩む。
50年代にはマダム・グレ(Madame Grès)のためにバレエシューズを作り、サイクリストのレーシングシューズに着想を得てバックをゴムにしたモデルを考案したところ、ブリジット・バルドーが着用して大きな話題を呼んだ。
また、ココ・シャネル(Coco Chanel)に出会い、彼は「シャネル」のシグネチャーカラーであるベージュと黒を用いたスリングバックパンプスを制作。歴史に残るシューズとなった。
他にも「ティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)」、「アズディン・アライア(Azzedine Alaïa)」、「ジョン・ガリアーノ(John Galliano)」など名だたるメゾンに靴を提供している。

2002年、「メゾン・マサロ」は「シャネル」によるパラフェクション(Praraffection)グループの傘下に収まった。同グループは、他にも羽根細工やグローブ、ボタン、ハット、刺繍など由緒あるアトリエを束ねている。
ラガーフェルドが終始愛用していたキューバンヒールブーツは、レイモン・マサロが手掛けたものだ。彼はファッション史に偉大な一ページを刻んだ。
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