2017/01/13
ピッティゲストの「サルバム」、脱構築のテーラードを披露
2017/01/13
藤田哲平が手掛ける「サルバム(Sulvam)」が、イタリア・フィレンツェのメンズ展示会「ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)」にゲストデザイナーとして招聘され、ランウェイでコレクションを披露した。

薄暗い会場の中を進むモデルは、解けたスニーカーの紐を引きずるようにして歩く。その首にも同様にストリングが垂れ下がっていた。解体された洋服の様々な部位を再構築し、長く尾を引くシルエットを作り上げる。
ダークカラーのジャケットやコートの脇と背中にはスリットが入り、そこから裏地の明るい色彩が覗く。解体され、切り裂かれ、ひっかき傷のように白い縫い目が散るスーツたちは、従来の意味をそぎ落とされて、全く新しい軽やかさを手に入れていた。
一見不可能にも見える洗練と破壊の均衡が、藤田哲平のシグネチャーだ。長年「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」で経験を積み、2014年に自身のメンズウェアブランド「サルバム」を立ち上げた彼は、日本の若手デザイナーの中でもひと際注目を集める。

今回のショーでは、ロングスカート、マキシ丈のニットジェラバ、オーバーサイズのジレなど、メンズアイテムを纏った女性モデルも数人登場した。
「ストリートという言葉はあまり好きではありません。そういう影響を受けた日本の新しいブランドとは距離を置いています。僕にとって、モードはカジュアルとは違うもの。どこかにテーラード的な要素や、技がないといけない、でも、一度服を作り始めてしまうと、解体してしまう。そうして不完全なパーツで作り直すんです」と藤田哲平デザイナー。

文化服装学院を卒業後、2014年に「Tokyo Fashion Award」を受賞した。学生時代に古着やでバイトをした経験から、洋服の様々なあり方を考えるようになったという。
「皆が持っている、ファッションに対する考え方を変えたい」と話す藤田の「サルバム」は、全て日本で生産を行っている。現在、日本を始め、香港、上海、イギリス、北米など30店舗近くのセレクトショップで展開する。
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