2019/05/22
プラダグループ、ヨーロッパの卸先を整理
2019/05/22
プラダグループ(Prada Group)が卸売の販売網を再編する。2018年度の連結決算で卸売事業の占める割合は18%にとどまり、前年比1%増の5億6600万ユーロ(約697億5000万円)だった。そこからさらに卸売を縮小する方針のグループは、先日「特にヨーロッパにおける卸売先について、より厳選したアプローチを行う」ことを発表している。

声明によると、グループは「小売店の販売網を将来的に見直す」意向で、これは「卸売販売網の構造を精密に分析し、ホールセール市場が複雑化・細分化しているとの見解を得た」取締役会の決断だという。
特にイタリアとヨーロッパにおける卸先が見直しの対象となり、商品価格を統一するのがねらいだ。「専門小売店やオンラインなどすべての販売網で価格設定に一貫性を持たせる」とグループ。傘下ブランドの「長期的な成長を支える」ことを目的とする。
卸先の整理による減収は、新たなオンラインの取引先と自社ECの拡大で補完する計画だ。2019年にはオムニチャネル戦略を強化し、顧客体験の向上に努める。「ミュウミュウ(Miu Miu)」のオンラインショップも、今年中にアメリカ、アジア、中東に向け新たに開設する。「プラダ」と「ミュウミュウ」の2ブランドについては、新規市場にもECがオープンするほか、「カーシュー(Car Shoe)」も初のECをスタート予定。グループは各種マーケットプレイスとの提携も強化する方針だという。
また、最近ではアドビ(Adobe)と共同でデジタル面での顧客体験を向上し、コミュニケーションやマーケティングの分野でも新しいソリューションを開発しているプラダグループ。オンラインとオフラインを効果的に繋ぐ方法を模索している。
同社は世界中に634店舗の直営店を展開しており、小売事業の売上高は全体の81.7%を占める。2018年度の増収率は恒常為替レート換算で7%だった。昨年の新規開店数は29店舗、閉店は20店舗で、改装は120店舗。
2018年度通期の業績は、3%増(恒常為替レート換算では6%増)の31億4200万ユーロ(約3872億5200万円)で、純利益は17.5%減の2億510万ユーロ(約252億8000万円)だった。
(2019年5月22日現在、1ユーロ=123円で換算)
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