2019/11/25
米カーライル、「ドクターマーチン」の取得を検討か
2019/11/25
アメリカのカーライル・グループ(The Carlyle Group)が、イギリスのシューズブランド「ドクターマーチン(Dr Martens)」を10億ポンド(約1404億7300万円)以上で買収することを検討しているという。現在、同ブランドは英国系投資ファンドのペルミラ(Permira)傘下にある。

現在のところ3社ともコメントを控えているが、ブルームバーグによると関係者筋はカーライルが買収を本気で検討していると話している。まだ交渉は始まったばかりということで、まだ具体的なオファーはなされておらず、今後他の入札もあり得る。
現オーナーのペルミラは、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)とロバート・W・ベアード(Robert W Baird)と共に「ドクターマーチン」のオプションを模索していたという。来年にはブランドから手を引く予定だというペルミラ。売却のほか、IPOという選択肢もあった。
ペルミラは5年前に「ドクターマーチン」を3億ポンド(約421億3200万円)で買収した。そこから考えると、今回の推定価格12億ポンド(約1685億2600万円)というのは非常に大きな数字のように思えるが、実店舗やECの拡大に積極的に取り組んでき結果と考えるべきだろう。
伝統がありつつもトレンドを汲んだポジショニングで独自の地位を築いてきた「ドクターマーチン」は、2018年度に前年比70%増の8500万ポンド(約119億3700万円)というEBITDAを計上した。ヴィーガンシューズも売上構成比4%を占めるようになったほか、ECは7割近く伸びている。さらにイギリス国外でも積極出店を続けており、現在世界中に109店舗を展開する。
カーライル社は将来さらに大きな成長を遂げるブランドを取得したい考えで、逆に現在所有している「ゴールデングース(Golden Goose)」ではその役目をすでに完了してしまったようだ。2017年に買収した同ブランドは、当初から現在で年商が2倍以上に拡大。カーライルは現在売却先を探しているという。
(2019年11月25日現在、1英ポンド=140円で換算)
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