2015/09/11
パリ展示会「フーズネクスト」と「プルミエールクラス」、好調な幕引き
2015/09/11
9月4日~7日に開催されていたパリのファッション展示会、「フーズネクスト(Who’s Next)」と「プルミエールクラス(Première Classe)」は、盛況のうちに終わった。ここ3年は春夏シーズンの開催を7月に前倒ししていた同展示会だが、今年は従来の会期である9月に立ち戻った形だ。今回は来場者数が12%増加したほか、リテールの専門に無料で相談ができるスペース「Retail Expert Club」が特に好評を博したという。

統計を見てみると、まずフランス国内からの来場者は13.5%増加した。さらに、国外からの来場者数も9.5%増という結果に。
主にヨーロッパ勢が多く、ドイツ(45%増)、イタリア(17%増)、スペイン(33%増)と大幅な伸びを見せたという。また、ヨーロッパの外からの訪問も増え、アメリカが12%増、日本が17%増だった。
その他、たとえばタイからのモール・グループ(the Mall Group)や、マレーシア、南アフリカなどの勢力も新たに登場した。
中国や韓国、中東からの訪問は減少したが、こうしたダイナミックでインターナショナルな流れは、それを補って余りあるものだという。

さらに今回特筆すべきは、国内外から大手のバイヤーが詰め掛けたところだ。「アンソロポロジー(Anthropologie)」や「アーバンアウトフィッターズ(Urban Oufitters)」をはじめ、英「リバティ(Liberty)」、伊「ルイーザヴィアローマ(Luisaviaroma)」、メキシコの老舗デパート「パラシオ・デ・イエロ(Palacio De Hierro)」などからも訪問があった。
また、商談に結びつく件数も多かった。主要なブランドには皆買い手がつき、小規模のブランドも、特に「プライベート(Private)」と「トレンディ(Trendy)」セクションが人気だった。
「プルミエール・クラス」では、フランスのシューズが高評価を得ていたほか、レザー小物もセレクトショップや専門店といった新しい客層を開拓していた。トレンドに左右されやすいジュエリーに関しては、今シーズンはファブリックを用いたものやボヘミアンなものが多く見られた。
このように非常に好感触だったという今回だが、多少の問題もある。出展者の間で、大成功か手ごたえ無しか、両極端な結果になり、芳しい成果が得られなかったブランドも少なくないという。ブースの配置もあるが、よりクオリティーの高い商品が増えて選択の幅が広くなったことで、競争が加速したため、割を食う出展者もいたようだ。

前回同様、会場のマーチャンダイジングは出展者からもバイヤーからも好評だ。商品展開に見合ったブース配置など、動線を考えた作りにより、見やすくわかりやすいものとなった。
サービスもより一層充実し、フランスの地方業者を集めた「iDFASHION」のほか、リテール無料相談スペース「Retail Expert Club」や、出展ブランドから分析したMartine Leherpeur Conseilのトレンドフォーラムなど、参加者同士の交流を通じてダイナミックなイベントに成長した。
若手クリエーターたちにも好評だったと、主催者側は伝えている。「The Future of Fashion Program」や「Graduate Fashion Show」などの合同ショーを通じて、アニシャ・パーマー ロンドン(Anisha Parmar London)」や「ケルシー・ハットン(Kelsey Hutton)」などの新進ブランドが顧客を獲得することに成功した。
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