2015/10/06
オリヴィエ・ルスタン「真に現代的なものは、多様性の中にある」
2015/10/06
2011年、25歳という若さで「バルマン(Balmain)」のアーティスティックディレクターに就任した、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)。10月1日、ニューヨークファッションウィークでのショーの合間にCNN Styleのインタビューに応じた彼は、ファッションと多様性について語った。ビデオはFashionMag.com上で視聴可能。
ファッションに関して
11歳になる頃、自分は人とは違うと気づいた。その時から、多様性について考えるようになった。
僕は自分がどこから来たかわからなかったし、今もわからないままだ。でも、ファッションと関わっていると、自分が何者かになれた気がする。
多様性というのは、いつも僕自身の中にあった。でも、知らなかったんだ。多様性について話したってかまわないし、音楽でもファッションの世界でも、それがむしろ強みになるってことをね。
現代のミューズとは
ファッションの世界では、現代性を衣服と結びつける人々が多いけれど、真に現代的なものは多様性の中にある、と僕は思う。自分のクリエーションが美しいことはもちろん大事だけれど、それ以上に、世界が、僕のビジョンが、そして僕がアピールしていきたいと思う多様性の考えが美しくあること、それがコレクションでは重要になっている。キャスティングやショーでは、個性的なタイプの女性を使いたい。僕の選ぶミューズたちが、みんな個性的であると同時に現代的なのは、そういう理由だ。
たとえば、キムは強い女性で、新しい家族を象徴する存在だ。過去よりも、現在と未来に強いインスピレーションが眠っている、という事実を、僕らは忘れがちな気がする。
多様性を守るために
僕は幸運なことに、自分の世界観や多様性を表現する機会に恵まれて、人々の考え方を変えることができるんじゃないかと思っている。僕のような黒人系のデザイナーが、ヨーロッパの老舗メゾンを手掛けているんだ。これはすごくポジティブなメッセージになる。ファッション業界自体の懐も広がれば良いし、多様性というテーマがデザイナー皆に共通のものとなるべきだ。ファッションの未来はそこにある。ファッションは僕の一部だ。この多様性を守るために、戦い続けていきたい。
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