fashionsnap
2015/02/28
訪日中国人"爆買い"で百貨店の免税売上が大幅増 スーツケースや高級ウイスキーも人気
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2015/02/28
2月24日までの1週間、都内百貨店は「春節」にあわせて訪日した中華圏観光客で賑わった。銀座エリアでは、三越、松屋、プランタンの3百貨店の春節期間の前年比売上が各店で2.7倍〜3倍近くまで増加。ラグジュアリーブランド品や宝飾品、キッズ・ベビー用品に加え、スーツケースや国産の高級ウイスキー、昨年から免税対象に加わった化粧水の売上も伸びた。

昨年10月に免税制度が緩和されたこともあり、訪日外国人旅行者数は急激に増えており、百貨店各社では今年の春節にあわせてインバウンド需要の対策を強化。中華圏からの旅行者向けに、環境サービスや販促の拡充をはじめ、国産製品や宝飾品、日本の正月では恒例の福袋などを強く打ち出した。ホテル宿泊者の誘客を行った西武池袋本店では、18日〜24日の免税売上高が前年春節期(1月31日~2月6日)の3.6倍になり、帰国してから親戚縁者に配るために1つの商品を20個~30個程度まとめ買いする傾向も化粧品や食品を中心にあったという。中国人の趣向を反映した商品を一部投入した三越伊勢丹は、休業日を挟んだもののグループでは同約2.3倍に伸長。約2.8倍となった銀座店では、宝飾バザールの販売額がアカサンゴやヒスイのリングが人気により目標を上回ったほか、「ダーバン」の好調が目立った紳士ではキャリーケースやスーツケースの売上が約7割~8割増え、リビングでは線香、婦人雑貨では土産用にハンカチを購入する姿が目立ったという。東京以外の都市部の百貨店も外客の利用が増えているようで、大丸松坂屋全体では約3.8倍、高島屋では大阪店が3.3倍と牽引して全体で約2.8倍に伸びた。
外客の利用が増えた一方で、予測を上回る来店に松屋銀座では、通訳スタッフの更なる増員も検討する可能性もあるという。国慶節に比べて春節は団体ツアー客が多く、プランが組まれていることがほとんどのため、プランタン銀座では「SNSを活用するなどして、事前に情報を発信しておくことも今後有効になるのでは」といい、引き続き増えることが予測されるインバウンド需要への対策改善を図っていく。
なお百貨店以外にも、ユナイテッドアローズでは単体売上の2%(百貨店店舗除く)が免税品だがうち6割ほどを「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」が占めており、ブランドジュエリーやスポーツメーカー用品といった"分かりやすい"アイテムを販売するショップも中華圏の外客から人気。スニーカー等を取り扱うアトモス(atmos)では同期間中、家族連れの中国人の来店が普段よりも増え、特にナイキ(NIKE)をはじめ、リーボック(Reebok)やオニツカタイガー(Onitsuka Tiger)の動きが良かったという。まとめ買いをしていくため客単価も高めだが、一方で「日本人の買い物離れがより目立ってきている」と課題点もあるようだ。
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