2019/11/28
会社清算の「ソニア リキエル」、ブランドの商標権とアーカイブが競売に
2019/11/28
身売り先が見つからず、今年7月に会社清算の憂き目にあった「ソニア リキエル(Sonia Rykiel)」だが、メゾンの名前は消えていない。商標権とアーカイブのオークションが行われた。

すでに入札は済まされており、11月25日に判事による審査が行われた。今後3週間以内に判決が下される予定だ。
「ソニア リキエル」のブランド名を取得したがる入札者は多く、商標権で行う予定の事業計画も多岐に渡った。その中から最良の条件のオファーが選ばれ、クリスマス前に「ソニア リキエル」ブランドの新しい所有者が決定することになる。
パリ市は文化省を通じて、メゾンのアーカイブ消失を阻止したい意向を発表しており、美術館への収蔵を呼びかけた。この点についても12月中旬に判決が出る予定だ。
会社としては清算という道を歩んだ「ソニア リキエル」では、131人の従業員が職を失った。企業が解散した今、ブランドそのものは一体どうなるのだろうか?
フランスで独立を保つ希少なファッションブランドだった「ソニア リキエル」だが、2012年に香港の利豊(Li&Fung)グループの経営者一家が立ち上げた投資会社Fung Brands(現First Heritage Brands)が中心となり、ジャン=マルク・ルービエ(Jean-Marc Loubier)、シンガポールのファンドTemasekが80%の株式を取得。その後2016年には100%にまで拡大した。2018年までの6年間で、「ソニア リキエル」ブランドに投資した金額は2億ユーロ(約241億1300万円)とも言われている。
2016年、創業者のソニア・リキエルが亡くなって数ヵ月後に初の事業再編が行われ、従業員4分の1が解雇された。しかし業績は回復せず、2018年の売上高は3500万ユーロ(約42億2000万円)と買収当時の半分にまで落ち込んでいる。営業損失は3000万ユーロ(約36億1700万円)だった。
(2019年11月28日現在、1ユーロ=121円で換算)
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