掲載日
2012/07/04
2012/07/04
ディオール、ラフ・シモンズによる初のクチュールコレクションを発表
掲載日
2012/07/04
2012/07/04
「Christian Dior(クリスチャン・ディオール)」が7月2日、2012年秋冬オートクチュールコレクションのショーを開催し、新アーティスティック・ディレクターRaf Simons(ラフ・シモンズ)が手掛ける初のコレクションを発表した。会場となったパリのプライベートサロンの壁はピンクやブルー、ホワイトの花で埋め尽くされ、創業者クリスチャン・ディオールが生まれ育ったノルマンディー地方グランヴィルの庭を思わせる雰囲気。著名ファッションジャーナリストやセレブリティのほか、「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」のMarc Jacobs(マーク・ジェイコブス)や「Lanvin(ランバン)」のAlber Elbaz(アルベール・エルバス)、Pierre Cardin(ピエール・カルダン)といったデザイナーも駆けつけた。
![]() (写真:AFP) |
2011年3月に退任したJohn Galliano(ジョン・ガリアーノ)の後任としてアーティスティック・ディレクターに就任したラフ・シモンズ(44歳)は、ガリアーノによる華やかなバロック調デザインとは対照的に、アバンギャルドなエスプリを感じさせるミニマルで緻密なスタイルで知られる。「ディオール」ならではのパリのエレガンスをどう表現するかに注目が寄せられていたが、メゾンの伝統を受け継ぎながらもラフ・シモンズらしさを感じさせるコレクションに仕上がった。シモンズは、クリスチャン・ディオールは完璧なスタイルを崩すために「ひねりのあるディテールを加え」、洋服に「魂を吹き込んでいた」と話す。パーティードレスのアーカイブからインスピレーションを得て、ミニ丈のドレスやウエスト前部から大きなスリットの入ったドレスをブラックのシガレットパンツに合わせるなど、現代的なアレンジを加えた。
![]() ラフ・シモンズはとてもリラックスして初コレクションを披露したという(写真:AFP) |
落ち着いた雰囲気のコレクションが終了するとゲストからは主に賞賛の声が上がったが、反応はさまざまのようだ。アルベール・エルバスは、「ラフの繊細さとディオールのモダニティ」が反映された「詩的なコレクション」だったとコメント。女優のSharon Stone(シャロン・ストーン)やMarion Cotillard(マリオン・コティヤール)、米『Vogue』誌のエディターGrace Coddington(グレース・コディントン)も、賞賛のコメントを寄せた。
![]() (写真:PixelFormula) |
「ディオール」を傘下に抱えるLVMHのBernard Arnault(ベルナール・アルノー)会長は、「ラフには自由に取り組んでもらっている。彼が思い描くディオールを、彼なりに表現してほしいと伝えた。見事なコレクションだった」と称え、シモンズは「とてもリラックスした」様子で余裕を持って初コレクションに臨んでいたと語った。
1940年代後半にクリスチャン・ディオールと共に働き、メゾン設立に携わったピエール・カルダンは、シモンズは「メゾンの伝統を尊重している。しかし偉大なデザイナーになるためには、自分自身のスタイルを貫き、その独自のスタイルを認められる必要がある」と話している。元モデルでデザイナーのInès de la Fressange(イネス・ド・ラ・フレサンジュ)は、「グラフィカルで、ロマンチックな中にビンテージ感を漂わせたコレクション。誠実でとても良識的で、かなり優等生的な作品」と冗談混じりにコメントした。
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