2017/09/20
ロンドン ファッションウィーク:6つのキートレンド
2017/09/20
今季ロンドンのデザイナーに最もインスピレーションを与えたのは、エリザベス女王かもしれない。他にも、同地のランウェイで目についた6つの主要トレンドを紹介する。

ボールドなストライプ
斜めになっていたり、途切れたり、妙な角度だったり、あるいは変わった色使いであったり、とにかくストライプがロンドンのランウェイを席巻していた。「ピーター・ピロット(Peter Pilotto)」はブライトなストライプを、「ロクサンダ(Roksanda)」はキャラメルカラーのラインが入ったワンショルダードレスを提案した。また、素材でコントラストをつけるデザインも急増。「JW アンダーソン(J.W. Anderson)」のマットレザー、リネン、スパンコールをミックスしたストライプは印象的だった。「エンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)」のロックキャンディのような色使い、あるいは「ヴィクトリア ヴィクトリア ベッカム(Victoria Victoria Beckham)」が見せたペールブルーやライムグリーンのストライプサマースーツのほか、「ハウス・オブ・ホランド(House of Holland)」のヘンリー・ホランド(Henry Holland)に至っては、キャットウォーク自体を波打つブルーのストライプ模様で覆っていた。

過激なセクシャリティ
今季の「クリストファー・ケイン(Christopher Kane)」のミューズは、買収宿を経営していたシンシア・ペイン(Cynthia Payne)だ。コレクションにも、ランドリーバッグのようなレースを用いたアイテムや、女性の下着のイメージを中央にあしらったドレスなどが登場。「ラルフ&ルッソ(Ralph & Russo)」では、もう少しクラス感のあるセクシュアリティが、シアーなネグリジェドレスなどを通して表現されていた。「シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)」は、ピュアなドレスに絞るようなギャザーを寄せることで、意味深なシルエットを作り上げる。また、ヘンリー・ホランドが「セクシーで大胆なセイレーン」に向けてデザインしたと話す一方で、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)はシルエットをそぎ落とし、タイトで色気のあるビスチェを多用。「ローラン・ムレ(Roland Mouret)」
で一番目を引いたのは、バイオレットのセミシアーなワンショルダードレスだった。

ファーとアンチファー
ファッション業界は、動物愛護団体にとっての新たな巨悪となりつつある。「バーバリー(Burberry)」、「ガレス・ピュー(Gareth Pugh)」、「ヴェルサス ヴェルサーチ(Versus Versace)」のショーでは、入り口を封鎖するように抗議運動が行われた。傷ついた動物の写真を掲げたり、生きたまま皮を剥がれる動物に扮して全身タイツをも纏った女性などがゲストにアピールしていた。「バーバリー」のランウェイにはシアリングのラップコートが登場したものの、実際にロンドンのランウェイで見られたファーアイテムは数えるほどだった。

アーキテクチュラルバッグ
「ロクサンダ」は、サーペンタイン・ギャラリーの外でショーを行ったが、今年のパヴィリオンはアフリカ・ブルキナファソ出身の建築家、フランシス・ケレ(Francis Kéré)が手掛けた。故郷のガンド村で寄り合いの場として使われていた木にインスパイアされたという建築だ。「ロクサンダ」も、メタルループとファインウッドのハンドルを用いたアーキテクチュラルなバッグを披露。ジョナサン・アンダーソンは、シグネチャーであるアンカーロゴをあしらったソフトで機能的なバッグを提案している。

王党派
「アーデム」は、エリザベス女王をテーマに、アフロアメリカンのジャズシンガーを王室ファッションとミックスしたコレクションを発表した。それだけでなく、「バーバリー」にも貴族軍人的なテーラリングが見られたほか、「プリングル・オブ・スコットランド(Pringle of Scotland)」のエレガントなショーで垣間見えたスコットランド・ハイランド地方と王室との深い関係も。

子供時代のファンタジー
「メアリー・カトランズ(Mary Katrantzou)」では、プレイフルなモチーフが軸に。ドールライクなフォルムのドレスには、ニーソックスを合わせて更にあどけない雰囲気をプラスした。シルクのトップスはナイーブなフローラルプリントで、ピンクのバッグはフラミンゴの形にカットされている。また、ヘンリー・ホランドも、貝殻やヒトデをかたどったプレイフルな刺繍が目を引いた。
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