2015/06/22
ピッティ・ウオモ、今期は大成功を収める
2015/06/22
伊フィレンツェの展示会「ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)」が大盛況のうちに幕を閉じた。天候にも恵まれ、来場したバイヤー数は5%も増加。大成功と言える結果で締め括られた4日間は、メンズのマーケット全体にも明るい展望をもたらした。

ピッティ・ウオモは今期で第88回目となる。2016年春夏コレクションを求めて、今年は2万人以上のバイヤーが訪れた。「過去の春夏シーズンと比べても最大の成功だ」と主催者は語る。
来場者に特に評判が良かったのは、豊富なプログラム内容だ。モスキーノのスペシャルイベントをはじめ、アーサー・アルベッセ(ARTHUR ARBESSER)やトーマス・テイト(Thomas Tait)など話題のアフリカンデザイナーを集めたショーが注目された。
「国内外から訪れたバイヤーからは非常に好評で、来場者も出展者もインターナショナルな色が濃くなってきている」――運営団体のCEO、ラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)氏はこう付け足した。
今シーズン、新規出展の要請は500社以上にも上り、実際に受け入れられたのは264社だった。その半分は外国のブランドだという。

「商品やデザインの面だけでなく、展示方法でも様々な工夫を凝らすブランドが増えてきている。小さな企業でも、新しい発想と絶えず進化し続けることがビジネスの鍵だ、という自覚がある」。
特に今回は、各スタンドがユニークで完成された装飾を施し、ブランドの存在感をアピールしていた。その様は、画一化された商業展示会というよりは、さながらデザインブティックの品評会のよう。
「ピッティ・ウオモの会場では、至るところにファッションを感じることができる。コンテンポラリーで革新的なブランドと、イタリアの伝統的なテイラード文化の完璧な融合だ。コペンハーゲンやNY、パリでも、ここまで完成された展示会は見当たらないだろう」と語るのは、ベルリンのセレクトショップVoo Storeのバイヤー兼クリエイティブディレクター、ヘルベルト・ホフマン(Herbert Hofmann)だ。今シーズン、初めてフィレンツェを訪れた。

主催者の公表した情報によると、イタリア人バイヤーが4%増えたほか、国外からのバイヤーは6.5%増加し、合計で8200人に上ったという。
内訳としては、ヨーロッパが最も高い増加率を見せ、フランス(+23%)を筆頭に、ドイツ(+20%)、オランダ(+18%)、スペイン(+15%)そしてスイス(+15%)と続く。また、北欧でも顕著な増加を見せる国があり、50%以上の増員数となった。
ロシアとウクライナからのバイヤーが減少したほか、韓国や香港もやや右肩下がりの傾向を見せたが、イギリスやアメリカ、中国は安定している。さらに、日本からのバイヤーは3%増加しており、その他トルコ、インド、中東、台湾のバイヤー数も上向きだ。
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