2016/06/07
レンツォ・ロッソ「"see now buy now "から本物のファッションは生まれない」
2016/06/07
「ショーのシステムを変えることはできない。クリエイティビティを大事にしたいのなら、ランウェイの直後に商品を売り出す"see now buy now "なんてやっていられない」と当氏に話したレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)。
「ディーゼル(Diesel)」の創始者であり、「マルニ(Marni)」「ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)」、「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」などを所有するOTBグループのトップでもある彼が、ショースケジュールに関する昨今の議論に対して自身の見解を示した。

「コレクションにおいては、まず第一に生地の選択が重要になってくる。最初に試す必要があるし、クリエイティブにコレクションを作り上げようとするなら、時間が掛かるのは当然のことだ。こんなシステムを採用できるのは、よくある生地を使用している商業的なブランドだけだと思う」と同氏は指摘する。
「本物のファッションを作るなら、絶対にこんなことはできない。一度採用したら、もうこれはファッションショーなんてものではなくて、一般消費者向けの単なるイベントになってしまう」。
一方で、メンズ・ウィメンズの混合については、前向きな姿勢を見せた。「メンズとウィメンズを統合するというやり方はあり得る。NYではメンズとレディースを同時にやっていて、僕自身『ディーゼル ブラックゴールド』をあそこで発表したことがある。でも結局、ビジネス的な理由から、二つのセグメントを分けることになったけれど」。
「メンズとウィメンズを同時にやってしまうと、全てのアイテムをきちんと見せられない。もちろん、皆がそういう方向に流れていって、これが世界的な規模のトレンドになったときには、それに従うつもりだ」とも語った。
もうすぐ60歳になるレンツォ・ロッソは、記念となる書籍、『RR Radical renaissance 55+5』を出版する。ミラノ メンズファッションウィークの前日である6月17日から同地で発売予定だ。
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