2019/09/17
ロンドンFW:「バーバリー」、シェパード・ブッシュの"ユニコーン"
2019/09/17
ロンドン ファッションウィーク最大のショーに出席するため、この日はロンドン中のファッショニスタがシェパード・ブッシュへと詰めかけた。リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)手掛ける「バーバリー(Burberry)」だ。

ティッシが就任して3回目となるランウェイのフロントロウには、有名サッカー選手からプライマルスクリームのボーカル、イザベリ・フォンタナ(Isabeli Fontana)やジョアン・スモールズ(Joan Smalls)といったトップモデルまで、様々な顔ぶれのセレブリティが揃う。
メンズ・ウィメンズ合同で発表されたコレクションは膨大なもので、本当に数多くのルックが登場し、ティッシのメゾンへの尽力を感じさせた。オープニングのスーツやジャケットには、パイピングや表のシームにはトレンチブラウンやペールグレーといったメゾンのシグネチャーカラーを用いている。
しかし、中でも目を引いたのはドラマティックなプリントを施したシルクのスカートやドレスだった。フローラル、フォレスト、アニマルなど様々な意匠がミックスされたものだ。トリムにはブランドの新モノグラムがあしらわれ、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)をはじめとするスーパーモデルたちが着こなしていた。
セットにも力が入っている。巨大なミラーボックスが持ち上がり、大きなセラミックボール状のサウンドスピーカーが姿を現すという仕掛けも。
一方で、すべてが成功しているというわけでもない。マニッシュなチェックのスーツのトラウザーズに穴が開いて脚が覗くようアイテムやヘビーなシャツブルゾンは、デイリーウェアにしては難解に過ぎる。
それでも、「ジバンシィ(Givenchy)」時代を思い出させるものも少なくはなかったが、やはりティッシの明るいテーラードは進化している。
「バーバリー」のシグネチャーアイテムであるトレンチコートは、ボリュームのあるカットで仕立て、定番のベージュに加えてバックがピンクになったウィメンズのルックや、マルチボタンのホワイトバージョンなどをメンズ向けに提案した。

合計109のルックが披露されたが、デザイナーの努力を責める気はなくとも、あまりにも長いコレクションは優柔不断の表れとも言える。「バーバリー」との契約内容はどうあれ、"自己編集"という項目は含まれていないだろう。
とはいえ、フィナーレは素晴らしいものだった。ホワイトレースのドレスを着て現れたリアン・ヴァン・ロンバエイ(Rianne Van Rompaey)はこの上なく美しく、このレースと同じものはインビテーションにもあしらわれていた。添えられたのは「I am a Unicorn」のメッセージだ。後半には、マラブーを使ったマリリン・モンロー風のルックも登場している。
総合的に見えれば、コマーシャル面でも魅力的なアイテムが多く、よくできたショーだった。
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