fashionsnap
2015/06/29
リック・オウエンスのショーでのモデル抗議行動 「演出でなくモデルの独断」
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2015/06/29
パリで行われているメンズ・コレクションで「リック・オウエンス(RICK OWENS)」のショー中に、モデルが突如白い布を取り出し政治的なメッセージを発信し、オーディエンスの目を引いた。ブランド側はショーの演出とは全く関係がなく、モデルの独断行動だったことを説明している。

ショーに登場したモデルは「PLEASE KILL ANGELA MERKEL NOT(アンゲラ・メルケルを殺して下さい、やめて)」と書かれた白い布を掲げ、ランウェイを歩いた。メッセージでは独の現首相を名指ししているが、文章の構成からはっきりとした意図は不明だ。
デザイナーのリック・オウエンス(Rick Owens)は、2015-16年秋冬コレクションで下着をつけていないモデルをランウェイに登場させるなどし、物議を醸したため会場では当初ショーの演出だと思われたという。しかしショーの直後にデザイナー自身が「モデルがバックステージに戻ってきた時、一発食らわせてやった」と激高していたことから、モデルの独断行動だったことが明らかになった。オウエンスは、モデルは「過去12年間、ブランドのミューズ」だったとも説明を加えた。ブランドは「モデルの抗議行動に関して、ブランドは何の関係もありません」と声明を発表している。
問題のモデルはJeraというドイツ人で、ランウェイから戻ると警備員から即座に会場から立ち去るよう伝えられ、ショーのフィナーレには姿を見せなかったという。皮肉にもショーのテーマは「male aggression(男性の攻撃的行動)」であったため、オウエンスはショー後のNYタイムズ紙の電話取材に対し、「結局のところ、わたしが(彼の行動を)創り出したのです。私がそのような環境をむしろ奨励し、彼は"リックの世界"では何でもできると解釈したのでしょう」とコメントした。
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