2018/01/16
ミラノ メンズファッションウィーク:次期CEO未定で羽ばたく「フェンディ」
2018/01/16
サッカー用語に、「ゲーゲンプレス」という言葉がある。バスケットで言えばフルコート・パスだが、とにかく「フェンディ(Fendi)」がミラノで見せたメンズコレクションは、クリエイティビティに全てを注いだものだった。

グラマラスでウィットに富んだアクセサリーと、ロゴを散りばめた力強いウェアを見せた「フェンディ」は、未だに新しいCEOの到着を待っている状態だ。ピエトロ・バッカーリ(Pietro Beccari)現CEOは、同じくLVMH傘下のクリスチャン・ディオール(Christian Dior)社のトップとして2月1日付で就任する。
ミラノの終盤を締めくくる大手メゾンとして「フェンディ」は多くのアイテムをおくりだした。空港のコンベアベルトを模したキャットウォークを歩むモデルの手には、最新のバッグからクラシックアイテム、さらにダブルFのロゴがあしらわれたボール紙のパッケージまで。
「とにかく、メゾンのDNA、つまりロゴをテーマにしたの。今はロゴも幾つかあるけれどね。そしてアーカイブにあるクラシックなコンセプトを取り入れた」とシリルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)。ムードボードの前で彼女が指さしたのは、70年代にカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がデザインしたミンクのグラフィックコートだ。
今回のコレクションでは、襟にフォックスをあしらったブラックレザーのアイゼンハワージャケットや、フェンディのロゴモノグラムで覆われたミンクブルゾン、ワイドストライプのシープスキンオーバーコートに、バナナや馬といったパッチワークイメージのダウンジャケットなどが目を引いた。
レザーのトートやサッチェルといったトラベルバッグはもちろん、「リモワ(Rimowa)」のメタリックバッグも登場。「リモワ」は、親会社LVMHの主要株主であるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)の次男がトップを務めるブランドでもある。数量限定のカプセルコレクションは、クリスマス時期に2日間で売り切れたという。
「もう一度やらなきゃいけないかもね」とベッカーリCEOは笑う。同氏はディオール就任を間近に控え、ここ数週間パリとの間を何度も行き来している。ベッカーリ氏も、LVMHのアントニオ・ベッローニ(Antonio Belloni )グループ・マネージングディレクターも、「フェンディ」の次期CEOについてはいかなる決定もなされていないと繰り返した。
後任については曖昧ながら、コレクション自体はクレバーで"売れそうな"ものに仕上がっており、「フェンディ」の幸先は良さそうに思われた。
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