2017/09/26
ミラノ ファッションウィーク:ウルトラフェミニンなシルエットがカムバック
2017/09/26
ミラノ ファッションウィークが9月25日に幕を閉じた。「今週のミラノは、確実に"何か"が起こっていた。誰一人無視できなかったわ!」とミラノ市のクリスティーナ・タジャーニ(Cristina Tajani)助役は評している。

「総評としては、十分すぎるほどの結果が出ている。特に24日のグランドフィナーレは、エコファッションのオスカーとも言うべき賞の授与が行われ、とても感動的だった」と話すのは、イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)(以下、CNMI)のカルロ・カパサ(Carlo Capasa)会長だ。
専門家の間でも、今シーズンの活気や、「メイド・イン・イタリー」を軸にした一貫性などを評価する向きが多かった。シューズの「ミカム(TheMicam)」をはじめ、重要な展示会が一同に開催されている・。
「一見して明らかなように、我々は団結している。『ミカム』には4万7000人以上が訪れ、レザーグッズの『ミペル(Mipel)』も前年比17%と来場者数は大きく増加した。ファッションウィーク期間中に各種展示会を開催するというのは、本当に意味のあることだ。バイヤーも、特に国外から訪れる人数が増える」と展示会「ホワイト・ミラノ(White Milano)」のマッシミリアーノ・ビッツィ(Massimiliano Bizzi)代表。政府の援助による成果であることにも改めて言及した。
2015年には、あらゆる業界の「メイド・イン・イタリー」に対し、年間で計2億ユーロ(約 円)の資金援助が行われ、国外向けのプロモーションが奨励された。また、「グリーンカーペット・ファッションアワード(Green Carpet Fashion Awards)」や「ミラノXL(Milano XL)」プロジェクトのようなものまで、特定のイベントに対する支援にも政府は積極的だ。「ミラノのファッションを盛り上げようという動きがあり、インテリアの展示会も同様だ」とビッツィ氏。

もちろん、豪華なパーティーとランウェイショーも重要なイベントだ。会場にも、「ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)」のセンピオーネ公園や、「マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco de Vincenzo)」のスフォルツェスコ城、そして「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」のアルキント宮、「アントニオ・マラス(Antonio Marras)」のリリコ劇場と、様々な名所が選ばれている。
中でもひと際印象的だったのは、ドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)が亡き兄ジャンニ(Gianni)に捧げたコレクションだ。90年代に活躍し、「ヴェルサーチ」を支えたことでも知られるスーパーモデル、シンディ・クロフォード(Cindy Crawford)、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、ヘレナ・クリステンセン(Helena Christensen)、クラウディア・シファー(Claudia Schiffer)の5人が登場したことでも話題となった。
全体的なコレクションを見てみると、在りし日のエレガンスを再び取り込んだレディライクなルックが目立った。コンビネゾンやベビードール、シアーなスリップドレスといった「婦人の寝室」的要素から、幻想的な庭園に着想を得たネオロマンティシズも。シルエットは非常にフェミニンで、ロングドレスや膝丈のフレアドレス、頭にスカーフを巻いたスタイルなど、レトロな要素が見てとれる。
ここ数シーズンは、不安定な情勢に立ち向かうべくメンズやスポーツウェアのパワフルなワードローブからヒントを得たスーパーウーマントレンドが続いていたが、今シーズンのミラノが描く女性像はフェミニンで柔らかい。ランジェリーやスイムウェアの要素もあちこちに見られた。
シアーな素材やレース、マクラメから覗く体のカーブは、フルイドな素材やカッティングにより強調され、そのシルエットをフリンジが彩る。肩を露わにしたスタイルや、カラータイツなどで脚を強調するルックも。
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