2012/10/03
エディ・スリマン手掛ける「サンローラン パリ」:YSLのビンテージスタイルを現代風に解釈
2012/10/03
「Saint Laurent Paris(サンローラン パリ)」のクリエイティブ・ディレクターに就任したHedi Slimane(エディ・スリマン)が10月1日、初コレクションを発表した。メゾンの伝統的なスタイルを受け継ぎつつ現代風に解釈した、安定感を感じさせるコレクションとなった。
「Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)」はエディ・スリマン就任に伴い、プレタポルテラインを「サンローラン パリ」と改名。プレタポルテラインのロゴ変更は議論を呼んでいたが、今回ランウェイショーの会場となったパリのグラン・パレには、フランス人グラフィックデザイナー、Adolphe Mouron Cassandre(アドルフ・ ムーロン・カッサンドル)がデザインしたアイコニックなYSLロゴが掲げられていた。
今回のショーは同ブランドの今後の戦略を示すものとして注目されていたが、ランウェイではアクセサリーはほとんど使用されず(ベルト、グローブ、数点のジュエリーのみ)、バッグやサングラスは一切登場しなかった。

エディ・スリマンらしい反逆的なムードは感じられず、シースルー素材のゆったりとしたチュニックや、スリマンが拠点とするロサンゼルスを彷彿とさせるつばの広い帽子など、見慣れたボヘミアン調スタイルについては賛否が分かれた。しかし全般的には、力強いデザインを称賛する声が目立った。マイアミのセレクトショップ「The Webster(ウェブスター)」の共同創業者 Laure Heriard Dubreuilは FashionMag.comに対し、「モダンでセクシー。着てみたくなるデザイン」とコメント。「(1960年代にサンローランのミューズとなった)ヴェルーシュカが着たサファリジャケットを思わせるバックスキンのワンピースや、マイアミのイブニングスタイルにぴったりな、ラインストーンを散りばめたロングドレス」がお気に入りだと話していた。

ランウェイショーの数日前には、上海の高級ショッピングエリアに「サンローラン パリ」初の旗艦店(売場面積は300平方メートル)がオープンした。サンローランのビンテージスタイルに、ロサンゼルスやパリ、マイアミを思わせるディテールを落とし込んだコレクションは、新興諸国市場の顧客からどのように受け止められるのだろうか。
中国版『Vogue』編集長のAngelica Cheung(アンジェリカ・チャン)は FashionMag.comに対し、「サンローランの定番アイテムを現代風に解釈したスタイルだったのは誰の目にも明らか」とコメント。また、「フォトグラファーの視点を感じさせる、メッセージ性のある非常に計算された演出」も素晴らしかったと称賛し、「統一感のある、広く受け入れられやすいコレクションだった。ショーの最後に鮮やかな色使いを持ってきたことで、強い印象を残した」と語った。
エディ・スリマンがデザインしたアイテムは、2013年1月より店頭に並ぶ予定だ。また、10月3日には「サンローラン パリ」の公式ウェブサイトがリニューアルした。ウィメンズとメンズのコレクションに加えて「Saint Laurent Skinny」や「Saint Laurent Selvage」を公開。フォトグラファーとしても活動するスリマンの世界観が反映されたイメージショットやルックを見る事ができる。また、5つのカテゴリで構成された「Saint Laurent Online Store」も登場した。
(FashionMagフォトギャラリーでは、「サンローラン パリ」の2013年春夏コレクションをHD画像でご覧いただけます。)
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