2018/02/06
ポール・スミスの17年6月期、回復傾向にあるも引き続き減益
2018/02/06
ポール・スミス・グループホールディングス(Paul Smith Group Holdings)の2017年6月期業績は、売上高が3.5%増の1億8500万ポンド(約282億200万円)、特別損益計上前営業利益が45%増の570万ポンド(約8億6900万円)だったが、特別損失と再編費用が影響し、当期純利益は74%減の210万ポンド(約3億2000万円)と大幅に落ち込んだ。

前年は8%の減収となり、16-17年には積極的に再編を進めてきた同社。メインの「ポール・スミス(Paul Smith)」とディフュージョンラインの「ピーエス ポール・スミス(PS Paul Smith)」、双方の商品展開に注力している。ブランディングの強化により、「引き続き前進し、現在は全販売チャネルで好調な売上を記録している」という。
小売事業の売上高は11%増だったが、ニューヨーク5番街店の閉店やパリ旗艦店の移転などもあり、既存店ベースでは3%増にとどまった。しかし、パリやコペンハーゲン、バーミンガム、マンチェスターなどには新規店舗を開設しているほか、今後はベルリンへの新規出店予定もある。
現行年度に関しては、小売の売上高は年末から堅調に伸びており、17年秋冬シーズンは18%の増収、基既存店ベースでも11%の増収となった。
EC事業は引き続き好調で、17年6月期の売上高は17%増だった。今後もオムニチャネル戦略を強化する方針だという。ダイレクトEC事業の占める割合は、前年16.5%から更に拡大して18%に上る。
一方で卸売は伸び悩み、売上高は11%減の7410万ポンド(約112億9600万円)。英国、フランス、ロシアといった主要マーケットにおける需要の弱まりと、アジア地域の数ヶ国で大きく停滞したことが影響した。
また、ライセンス収益は44%増の2210万ポンド(約33億6900万円)と伸び、主に日本の市場がけん引した。日本では伊藤忠商事がマスターライセンシーとなっているが、前年には同社と新たに10年間に渡る契約を結んだ。
(2018年2月6日現在、1英ポンド=152円で換算)
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