AFP-Relaxnews
2015/11/02
ジミー・チュウ、ファッション業界のカルマを語る
AFP-Relaxnews
2015/11/02
ジミー・チュウ(Jimmy Choo)が初めて靴を仕立てたのは11歳の時だった。今日、彼の名はラグジュアリーの代名詞となり、ラップの歌詞にすら登場する程の確固たる地位を築いた。

しかし、ジミー・チュウ本人は全く気取ったところのない人物だ。2001年には自身の名を冠したブランドの株50%を売却した後、現在はジミー・チュウ・クチュール(Jimmy Choo Couture)を経営している。原点に立ち返り、ものづくりを自分の手に取り戻す新たな挑戦だ。
靴職人として、手仕事に大きな敬意を払っているというジミー・チュウ。特別アドバイザーを務めるメルセデスベンツ・マレーシア国際ファッションウィーク2015の開催に際して、「オートクチュールは非常に重要だ」と話した。「オートクチュールは、プレタポルテとはまったく違う。着る人の本質を象徴する、非常に個人的なものだ」。
幼い頃からアトリエで仕事をする父を見てきたというチュウは、非常に熱意を持って取り組んでいる。「毎日アイディアが浮かんでくる。好きでやっていることだし、常に何かからインスピレーションを得ているんだ。自分のやっていることを好きにならないといけない。そうでなければ、下絵も描けなければ、学びもないし、前進もない」。勿論、他のクリエーターの作品にも日々目を光らせる。「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)やジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)といった、偉大なクリエーターたち……。エレガントで魅力的な、そういうクリエーションにはいつも刺激を受ける。彼らの服を纏った人は皆、文字通り変身する。そしてこう讃えるんだ。『何と美しい!まさに芸術作品だ!』とね」。
受け継がれる情熱
マレーシア・ファッションウィーク特別アドバイザーとして、チュウは若い才能を発掘する役割も果たしている。有名な名前に支えられることが、成功への大きな足掛かりになるということを、彼はよく知っていた。「メディアへの露出は重要だ。1988年にヴォーグのケイト・フェラン(Kate Phelan)が私の靴を見ていなかったら、今頃私はここにはいないだろう。彼女は8ページも割いてくれたんだ!」とチュウ。
謙虚で気さくな人柄の彼は、絶えず移り変わるファッション業界にも独特の視点を持っている。この業界での「カルマ」についてはこう語った。「口では大きなことも言えるし、沢山売ることだってできるだろう。でも大きな目で見ると、彼らもまた他人の才能を必要としている。何をするのであれ、周りの人々を気づかい、思いやりを持たなくてはいけない。他人に対する尊敬を忘れず、思いやりを持って、助け合うべきだ。他人に施した親切は、後になった自分に返ってくる」。
Copyright © 2023 AFP-Relaxnews. All rights reserved.