2011/01/18
資生堂、14代目社長に末川氏。
2011/01/18
資生堂は1月12日(水)、臨時取締役会を開催し、今年4月1日(金)より代表取締役執行役員社長 前田新造を代表取締役会長に、取締役執行役員常務 末川久幸(すえかわ ひさゆき)(51)を代表取締役執行役員社長とする役員人事を決定した。
資生堂は現在、「日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー」となることをめざし、2007年に策定した10年間のロードマップの第1フェーズ「すべての活動の質を高める」3カ年計画(2008年度~2010年度)に取り組んでいる。本年4月から第2フェーズ「成長軌道に乗る」をテーマとした次期3カ年計画(2011年度~2013年度)をスタートさせるにあたり、新たなリーダーのもとで改革をさらに加速していくことが望ましいと考え、この機を最適のタイミングと捉えて今回の社長交代に至った。
2005年6月に社長に就任した前田は、「100%お客さま志向の会社に生まれ変わること」「大切な経営資源であるブランドを磨き直すこと」「“魅力ある人”で組織を埋め尽くすこと」という3つの夢を掲げ、これまでに国内においては太く強いブランドを育成する「ブランド戦略の革新」、販売ノルマを撤廃した「ビューティーコンサルタントの活動革新」や「営業改革」など、顧客からの支持を高める活動を推進した。海外においては、現在、世界83ヶ国で展開するグローバルブランド「SHISEIDO」の育成強化をはじめ、中国における成長の加速、新興国市場への積極的な進出、米国ベアエッセンシャル社を13億ユーロで買収するなどした。さらに、拡大するアジアの中間所得者層の市場と日本の低価格帯市場を一体化した展開にも着手している。これら国内外の成長戦略を加速させると同時に、収益力の向上を目的に、ブランド数や品種数の削減、不採算事業からの撤退やアウトソーシングなど、様々な構造改革を進めた。 以上のほか、透明性と公正性を重視したコーポレートガバナンス改革や、資生堂ならではのCSR活動にも積極的に取り組んだ。
後任の末川久幸は、1982年(昭和57年)に入社。化粧品専門店の営業担当を皮切りに、本社で営業担当の研修や化粧品事業の戦略立案業務など国内化粧品事業の主要部門を経験した。その後、経営企画部にて前3カ年計画(2005年度~2007年度)の企画・立案を手がけ、前田と共に改革を推進しました。2007年には事業企画部長として国内化粧品事業の改革の陣頭指揮にあたり、2008年に執行役員経営企画部長に就任後は、前田の参謀役として経営の舵取りを行ってきた。国内化粧品事業のみならず、全社的な経営の企画・立案に精通しているうえに、強い信念と異なる価値観を受け入れる柔軟性を兼ね備えていることから、前田が進めてきた改革をさらに発展させる最も相応しいリーダーとして臨時取締役会にて選任された。
2009年四月から2010年3月末まで、経常利益は4億5600万ユーロ。売り上げは6.7%減少し、58億8000ユーロ。不況だった日本市場の影響が大きく要因したが、日本国外では逆に売り上げを伸ばし、特に中国ではよい結果を残した。
今年3月までの2010年度での売り上げは2,5%成長することを予想している。後期には日本市場も回復の兆しを見せたことに加えて、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、中国市場は全面的に回復したことを要因としている。
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