2020/02/20
ミラノFW:「エミリオ・プッチ」、「コシェ」が吹き込む新しい風
2020/02/20
3年間の不在を経て、「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」がミラノのランウェイに帰ってきた。ゲストデザイナーにクリステル・コシェール(Christelle Kocher)を迎え、シックでリュクスなメゾンのアーカイブに、「コシェ(Koché)」らしいストリートクチュールの世界観を交えたコレクションを披露した。

フロントロウには、イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)(CNMI)のカルロ・カパサ(Carlo Capasa)会長をはじめ、ピッティ・イマージネ(Pitti Immagine)のラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEOや、「エミリオ・プッチ」の親会社LVMHファッショングループ(LVMH Fashion Group)のシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)CEOの姿があった。
会場となったサン・パオロ・コンヴェルソ聖堂には、Tシャツをパーソナライズできるスタンドに、ビデオや動画をプロジェクションするスクリーン、そしてルックを先行して3Dで見られるVRギアなども設置された。
イノベーティブなセットに、ラッパーのリル・ウージー・ヴァートの楽曲が響き、メゾンが新しいフェーズに入ったことを象徴している。会場のムードもレイブとジェットセットセレブのパーティーをミックスしたようなものに。また、メンズのルックがウィメンズに混ざって発表されたほか、ジーンズが登場したのもメゾン史上初めてことだった。
グラマラスなグローブにブラックのアイウェア、パールのロングネックレスを合わせたレディなルックや、ミニドレスとオレンジのコートといったシックなスタイル、そしてレースエンやビーズのブロイダリーを施したスポーティなジャージ、Tシャツドレスやオーバーサイズポロといったフルイドでフレッシュなアイテムが続く。

メゾンのアーカイブからプリントやモチーフをふんだんに取り入れ、アイコニックなシルクスカーフは、頭や首に巻くだけでんかう、アイウェアを吊り下げたり、バッグになったり、あるいはジーンズやTシャツのディテールとしてなども登場した。
キャミソールドレスにはエンブロイダリーやレースがあしらわれていて、セクシーでありながらスポーティだ。ボディスーツの下にタイツを重ねたルックも目を引いた。
レースやフェザー、エンブロイダリーの使い方には、クチュールの技術を感じさせる。「『エミリオ・プッチ』にフレッシュなエネルギーをもたらしたかった。もちろん、アーティザナルな匠の技もたくさん使ったわ。とてもソフトでフェミニンであると同時に、ユニセックスなアイテムを加えることで力強いアティチュードを作り出したいと思ったの」とクリステル・コシェール。
創業者の娘でありブランドのイメージディレクター兼副会長を務めるラウドミア・プッチ(Laudomia Pucci)も、今回の出来に満足しているようだ。「クリステル・コシェールの解釈はとても革新的。アーカイブをよく研究して、それを現代的なやり方で自分の世界観に落とし込んでいる。エネルギーがあってプレイフルだし、わかりやすいけれど洗練されているわ」とコメントした。
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